キャッシャー(レジ)の無い小売店、AmazonGoがSan Franciscoのダウンタウンに今週オープンしました。勤務先の近所とあって、冷やかし半分に早速行ってみました。店舗があるのは、BatteryとCaliforniaの角です。

AmazonGoは、その名の通り、Amazonが運営するコンビニのような小売店。一見すると普通のグロッサリーショップと何ら変わらないのですが、大きな違いはキャッシャーがないこと。お客は、AmazonGoアプリをスマホに入れて、それが表示するQRコードをゲートで読み込ませて入店。あとは、自分の欲しい商品を手に取って、そのまま退店するだけです。代金はあらかじめスマホに登録しておいたカードから決済されます。

IMG_0316

店舗に入ると、まずはゲートがあります。

IMG_0308

このゲートに、スマホのQRコードをかざして入店です。

スマホを持っていない子供や友人らと入店する場合には、自分のQRコードを複数回使うことができます。例えば、子供と入店する場合、まず自分のQRコードをスキャンしてゲートが開いたら子供を行かせます。次いで、同じQRコードをスキャンして自分が入店します。

決済は入店時にかざしたQRコードに基づいているので、こういう場合、子供が手に取った商品もそのQRコードに紐づいたカードにチャージされることになります。

店内はコンビニのような感じで、多種多様なものが陳列されています。フードコーナーには、寿司、コリアンビーフのハンバーガ、インドカレーなどなどSan Franciscoらしいと言えばそんな気もするものも並んでいます(が、美味しそうではないので、全く食指は動かず)。

IMG_0309

IMG_0311

IMG_0312

自分が欲しい商品を手に取ったら、あとは退店するだけ。もうQRコードをかざしたりする必要はありませんし、話では、一旦入店したら、スマホの電源切っていても良いのだそうです。

僕は、試しにジュースを一本買ってみました。

てっきり、各商品にICタグでも付いていて、退店時に通過するゲートがそれを瞬時に読み取って代金を計算するのかと思っていたんですが、どうやらそうではないのだそうです。

では、どうやって買い物した金額を算出するのか? 詳細は企業秘密だそうですが、天井にあるカメラやセンサーが人を識別して、その人がどの商品を手に取ったか、どの商品を棚に戻したかを追跡しているのだそうです。

詳しくは、こちらをどうぞ。
https://www.businessinsider.jp/post-162108

キャッシャーがないのは極めてインパクトが大きいです。みなさんも、ジュース一本欲しいだけなのに、キャッシャーが長蛇の列だったなんて体験されたのではないでしょうか。この店ではそんなことは一切起こりません。ただ、皮肉にも(?)僕が行った時は、入店待ちの列ができていました。なので、入店にはちょっと時間がかかりました(が、出るのはスムース)。

キャッシャーなしを実現するために最新のテクノロジーが使われているのだろうと想像するに難くないのですが、一方で、この店は意外にも買い物客の善意の上に成り立っている一面もあるようです。

と、言うのも、当然ながら、AmazonGoが買ってもいないものをチャージしてしまうケースもあるようで、そういった場合にはスマホに表示された購入品リストから、「これ買っていない!」とボタンを押してクレームするだけなのだとか。と言うことは、買ったのに「買っていない」と言い張ることもできてしまい、Amazon側もそれを確認することはなく、その分は返金されるのだとか。

ところで、ひとつ思うのですが、キャッシャーが無いってことは、万引きもありえなくなるってことではないでしょうか? 従来、万引きって、隠し持った商品の代金をキャッシャーで払うことなく退店することですよね。ドキュメンタリに出てくる万引きGメンも、怪しい客が、キャッシャーを通過してから声をかけています。となると、キャッシャーがないこのAmazonGoでは、万引きなる行為自体がもう存在できなくなっているのではないかと思うのです。

天井のカメラに見つからないように商品を隠し持って退店したにしても、それはAmazonGoの認識不足によるものだと言い張れるでしょう。そして、それ以前に、これが現時点でのAmazonGoのひとつの弱さかと思うのですが、買い物して退店した後にスマホで見られるレシート(買い物品のリスト)は、退店後しばらくしてから見られるようになるのだそうです。つまり、退店直後に何を買ったかは見ることができないのだそう。

AmazonGoは2000店の出店を目標にしているそうですが、現時点ではSan Francisco店が6店め(近々、San Francisco市内にもう1店オープンする予定あり)だそう。出店の勢いがそれほどでもないのは、何かしら弱点があるからかと勘ぐってみたり。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2018年10月24日(水) 00:01