私がオレゴンからここベイエリアについたのは7月1日。率直にいうと、ここまで文化の違いがあるとは思っていませんでした。この一ヶ月、アメリカ vs 日本、社会人 vs 学生、そしてオレゴンの学生ユージーン vs カリフォルニアのベイエリアという文化の違いを発見する毎日です。ベイエリアとは、サンフランシスコという大都市を中心に、北カリフォルニア州の中でも海に近い地域を指します。サンフランシスコ以外のベイエリアは、主にシリコンバレーを中心とした居住地です。到着してすぐ偵察した近所のショッピングセンターで感じたのは、「アジア人が物を売っている!」ということ。もちろんオレゴンにもたくさんのアジア人はいますが、まだ住み着いてからの時間が短いせいか、それともほとんどが学生だったせいか、「セールス側は白人」でした。ここではVictoria's Secretでもたくさんのアジア人の女の子が下着を売っています。何だか嬉しくなってしまいました。スーパーマーケットひとつとってみても、私にとっては驚きでした。中国系、日系、韓国系とそれぞれの国に対してどでかいスーパーがいちいちあるのです。オレゴン州の小さな町ユージーンでは全て合わせて"アジアンマーケット"と呼ばれていた上、とても小さかったのです。ここに住んでいる日本人がみな「食事に困ることはない」と言うのも納得です。スーパーに何でも揃っているだけではなく、アジア料理店の味も格が違います。オレゴンにいるときはfakeなもの(ニセモノ)を食べたくないという理由で、むしろ避けがちだったのですから…。ここでは本場の(おそらく)味がずらりと並んでいて、私のお腹と舌は体よりすっかり先にアジアに戻ったようです。週末はオレゴン時代の友達を訪れたり、逆に訪れられたりと小旅行で忙しいのですが、地元の友達はなんといってもすぐに会えることが魅力。7月1日の時点でここの友達ゼロだった私ですが、今ではたくさんの友達ができました。その8割はアジア人!シンガポール、インド、マレーシア、中国、台湾、フィリピン、ロシア、そして日本人・・と多国籍です。彼らの多くがIT系企業で働いている一世(=自分たちが渡ってきた、という世代)または二世です。「日本人がアメリカで働くことを選んだ理由の調査」をインターンの目的のひとつに入れていましたが、今ではそれが日本人だけでなく「アジア人」と広がりました。ベイエリアの人口をみてみると、White: 57.7%Asian: 21.6%African American: 6.9%Native American: 0.6%Other/Mixed: 13.3%(2004推定,https://www.bayareacensus.ca.gov/bayarea.htm)アジア系がとても多く、この中の町によっては白人が5割を切るところもあります。カリフォルニア全体の人口比をみてみると、White: 60%Asian: 11%African American: 7%Native American: 1%Other/Mixed: 21%(https://www.idcide.com/citydata/or/index.htm)私のいた町、オレゴン州ユージーンはというと・・・White: 88%Asian: 4%African American: 1%Native American: 1%Other/Mixed: 6%(https://www.idcide.com/citydata/or/index.htm)このように、多文化的なカリフォルニアの中でも特にアジア人が多いのがこのベイエリアです。また同じ西海岸のオレゴン州と比べることでも、人種の多様化がすすんでいることも歴然です。サンフランシスコという大都市を含むこともひとつの理由でしょう。昔ほぼ奴隷のように働かされた中国人が、唯一購買を許されたというCHINA TOWNは、今でも地元の人と観光客で栄えています。ラテン系にこそ押されてはいますが、アジア系アメリカ移民は80年代に莫大に増えた後も流入が続いています。ベイエリアはアメリカ平均の10年、15年先をいった姿なのかもしれません。教育の質、地域の治安とともに、この湿気のないさわやかな気候が経済的に潤ったアジア人をこれからも惹きつけ続けるでしょう。

投稿者: B-Bridge コーヒーブレイク 投稿日時: 2006年8月11日(金) 15:51