同僚Cの話。
Cはメインランド・チャイナ(台湾と区別するため中華人民共和国のことをメインランド・チャイナと呼ぶ)の出身で、アメリカの東海岸にある工科大学を卒業した優秀なエンジニア。彼はアメリカの永住権を最近取得したが、まだ市民権は得ていないので、国籍は中国。
彼は、今月末にオランダで開かれるとあるカンファレンスに参加するため、半年以上前に出張申請を出した。ところが、経費削減のあおりを食らってか出張申請が認められずにいた。ところが、先週になってこの出張が許可された。早速、航空券やホテルの手配をすることに。予定では、オランダでのカンファレンスに参加する前にベルギーはブリュージュにいる顧客を訪問し、それから陸路オランダに向かうという。
このblogを見てくれている皆さんはご存知かもしれないが、僕はほんの一ヶ月前に休暇を取ってブリュージュに行ったばかり。だから、Cにもブリュージュは綺麗な街だから、楽しんでくるといいよ~と言ったのだが、なにやらCには懸念があるらしい。
聞いてみると、航空券やホテルはすべて手配済なのだが、彼の場合、ベルギー入国にはビザが必要でそのビザが出発前までに入手できるのか分からないという。
出張申請が認められた直後に、L.A.にあるベルギー領事館にビザ取得の必要書類をすべて送付したのだが、先週の金曜日に、そのベルギー領事館から、「バンク・ステイトメント(現在、銀行にいくらの預金があるかを証明するもの)を送れ」との連絡があったという。Cは慌てて自分の利用している銀行へ行き、ステイメントを発行してもらって、FAXでベルギー領事館へ送った。彼が飛び立つのは、21日(土)だから、ビザは16日から20日の間に届かなければならない。
日本人なら短期の観光目的でベルギーをはじめとするヨーロッパの国を訪問するのにビザは不要。パスポートさえあれば、入国は簡単。だが、中国人の場合はビザを取得しなくてはならない。
いっそのこと、ベルギーには寄らず、オランダに直接降り立てば良かったのでは?と聞いたところ、ベルギーよりもオランダの方がビザ取得に時間がかかるとのこと。そこで、彼は比較的容易にビザが手に入るベルギーを選択したのだが、それでも一筋縄には行かないようだ。
ちなみに、EUの国々は、一度どこかの国に降り立てば、他のEUに加盟している国には入国審査なく行き来できるのだが、Cが言うには、最初に降り立つ国には、その国のローカル・ルールが適用されるのだそうだ。
日本人だと普段そんなに気にもしないビザだけど、中国人の場合、どの国に行くにもほとんどビザが必要だという(中国人にとってビザが不要な外国は、短期の日本と韓国ぐらいじゃないか?とのこと)。
ちなみに、アメリカに観光で来る場合も中国人はビザがいるのか?と聞いてみたところ、その回答を聞いて驚いてしまった。
まず、ビザはもちろん必要で、その取得は簡単ではない。
そして、必ず添乗員が付き添い、全員が団体で行動しなくてはいけない。旅行中に個人行動は許されないのだそうだ。
うーん、これって、日本人が北朝鮮に行ったときみたくない?
確か、日本人は、ビザなしで訪問できる国が一番多いと聞いたことがある。普段は特に気にもしないことだけれど、ビザなしで多くの国に行けるってのは、大きなの恩恵なのだなーとしみじみと感じた日でした。
投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2007年7月14日(土) 22:23- 参照(477)
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