最近日本の有料道路で普及してきているElectronic Toll Collectionシステムは、頭文字3つをとってそのままETCと呼ばれていますが、ここベイエリアのETCシステムはFASTRAKという名前がついています。有料道路といってもアメリカの高速道路はほとんど無料のため、FASTRAKを利用するのはサンフランシスコベイにかかる橋を渡る時です。日本のETCとの大きな違いは、クレジットカードを登録すれば一家に3台までトランスポンダー(発信機)を無料でレンタルできる点。7cm四方の大きさで、両面テープでフロントガラスに張るだけ。日本のETCはカードリーダーが高価だとか、カードをリーダーに挿し忘れたままETCレーンに入ってしまい逆に渋滞を引き起こすことがありますが、このトランスポンダーならそういった問題はありません。橋の料金所にゲートはなく、FasTrak専用レーンはいつもすいすいです。ちなみに、トランスポンダーのない車が通り抜けるとゲート上のカメラで写真を撮られ、後で車の持ち主宛に罰金の請求書が届くのですが、初めての違反であればFASTRAK登録を条件に違反履歴と罰金をチャラにしてくれます。何とうまい勧誘方法かと関心しつつ我が家もこうしてFASTRAKを使い始めました。通行料の割引があると嬉しいのですが、今のところありません。さらに、ラッシュ時に2人以上で橋を渡る場合はカープール用ゲートを通ることができます。ここにはトランスポンダーの読取り機がなく無料で通れます。会社から近いDumbarton Bridgeでは、朝は5時から10時まで、夕方は3時から6時のみなので、このゲートを何とか時間内に通りすぎようと飛ばすミニバンやSUVが多くみられます。日本のETCシステムは決済額が大きいためカードをリーダーにセットする方式にしたそうですが、普及率をさらに上げる&渋滞を減らす、の2大目的を達成するにはFASTRAKのような簡便さが必要ではないか、と日本でETCレーンの渋滞を見て感じました。
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