今週はシングルファザーのため、今日(水曜日)はいくつかの雑用を片付けるため会社をお休みしています。ということで昼間からブログ書いてみたり♪昨日Twitter上でHaruさんから振られた形で、インターンについての話がありました。これは前からあれこれ考えていたことでもあったので、この機会に私が知る限りの現状と可能性について、Twitter上でつぶやいたことも含めてまとめておきます。ここでインターンと言っているのは、日本の学生がシリコンバレーの企業(IT、バイオ問わず)で行うインターンシップ(短期の実務体験)のことで、想定される期間は少なくとも8週間、通常は3-6ヶ月といったところでしょうか。シリコンバレーの企業でこれをするには大きく二通りあると思います。一つは大企業の公募に応募する方法。これは通常サマーインターンとして、6-9月の夏休み期間を利用するものです。アメリカの大学生にとっては、undergraduateのうちから夏休みに企業でインターンを体験するというのはとても一般的。将来行きたいかも知れない業界の会社で、実務の体験を通して本当に自分に向いているか、やりたい仕事かを考えるというもので、日本の学生の一般的なアルバイトよりもある意味建設的というか戦略的ですね。いや、一見自分の進路とは関係なさそうなバイトも、本人の考え方次第では貴重な経験になるのですが。ただここでアメリカの懐の広さが感じられるのは、海外の学生でも受け入れてもらえる場合もけっこうあるということ。むしろ世界中から才能を発掘という目的で、積極的に受け入れている場合もあるようです。バイオでもITでも、ずっとインターンシップを行ってきている大企業はすでにシステムが確立されているので、J-1ビザのサポートもあったりして、海外からでも受け入れられる可能性は高い。しかも思いのほかいい給料が出たりもします。ただしそんなおいしい話は簡単に手に入るはずもなく、かなりの倍率を勝ち抜く必要があると思います。一方大企業の中にいて、オフィシャルな公募ではなく、かなり個人的な枠を確保したりできる方もたまにはいる模様ですが、そういう場合はコネ(人脈)と日頃からの努力が(多分)必須。もうひとつの方法は、小さなスタートアップ企業で人のコネを利用してもぐりこむこと。日本人がアメリカに来る場合、ビザなしでも最大90日間滞在可能。ただしビザなしでは就労不可なので、この場合は無給となりますし、たとえ無給でも「働く」と言ってしまうとそれ自体違法な可能性もあるので、どんな形なら可能なのかあるいは不可能なのか、法的な部分をよく確認する必要があります。小さな会社ならば猫の手でも借りたいという場合もあるし、学生の側としては無給でもシリコンバレーのスタートアップを体験できるとすれば、興味ある人はいるはず。問題はどうやってそういった案件(会社や人)を見つけるかだけど、いろいろなオンラインツールを駆使しつつ、リアルと組み合わせてネットワークを広げていけば、保証はできませんが道は開けるかも?ただしこういった個別案件は、基本的にインターンによって進む仕事よりも、受け入れるための手間ひまの負担の方が大きくなりがちで、はっきり言って受け入れ側に実務的なメリットがあるとは言えません。何しろやって来るのは海外に不慣れな日本の大学生だったりしますから、場合によっては住居や交通手段まで気を使ってあげる必要も出てきますし、社内での英語コミュニケーションの問題もあります。だってこういう問題が全くない学生ならば、とっとと留学して自分でインターン先も就職先も見つけられるでしょうから。従って受け入れる側に「それでも日本の学生に経験を積ませてあげたい」というかなりのサービス精神というか強い意志が必要となります。ですから「甥や姪をちょっと預かる」的な話はよくあっても、まったく知らない学生をわざわざスクリーニング(これもまた面倒)した上でこちらに呼んでさらに面倒を見るというのは、現実的にはなかなか難しい話だと言わざるを得ません。そうはいってもいい人がたくさんいるのもシリコンバレーですので、がんばってチャンスを見つけて欲しいと思います。さらに大企業のように制度化されたインターンのシステムがなく、でもHR(人事部)が社内にあるくらいのサイズの会社(たとえばウチのような)というのも、ステージとしてはスタートアップでおもしろいと思うのですが、そういうところで海外からのインターンというのはおそらく一番難しいです。給料もさることながら、万が一の事態みたいなことを想定するといろいろ大変だし手続きも面倒だし、domesticならともかく、特にバイオテックの場合はわざわざ面倒な海外から呼ぶ理由がひとつもないからです。私もとりあえずひとつでもポジションが作れないかと思って、社内を奔走したことがあるのですが、最終的にHRからOKがもらえませんでした。ただこれでHRを責めるのはちょっと筋違いで、上記の通り、会社としてみた場合のメリットとデメリット、あるいはリスクとベネフィットを考えれば当然の結論と言えます。それでも(社内の)エコノミーさえ好転すれば十分チャンスはあると思うのですが。一方、domesticな学生のサマーインターンは比較的簡単、というか上記の通りかなり一般的なようです。私も以前こんな形でお世話した経験アリ。その後日談はコチラ。だから学部から留学してしまえばチャンスはたくさんある。でもそれだけのために?とは思うよね。日本の学生にとって何かいい手はないか?という問いにヒントをくれるのがこんなケースかも。ポルトガルという国は政府が海外インターンを強力にサポートしています。費用(渡航費、生活費等)は全部政府持ちで、Jビザを取得させ(たまにBビザ)、6-9ヶ月ずつ、スタートアップも含めてこちらの企業にたくさんの学生を送り込んでいる。受け入れ側はほとんど雑用もなく、トレーニングは多少要るものの、タダの労働力が得られるので概ね歓迎。上記で一番難しいと書いた中小規模のベンチャー(要するにウチです、笑)でも継続して受け入れています。日本もポルトガルのようにするべきなのかどうかは意見が分かれるところかも知れませんが、日本人はなんといってもこれだけ言葉のハンデがあるわけですから、そういった形で背中を押すシステムがあってもいいように思います。やる気がある奴は勝手に何とかして行く、というのは確かですし、行かない奴は所詮それまでだと突き放すのもそれはそれですが、やはり言語の壁は特にヨーロッパの人たちと比べるとかなり高いのは間違いありません。日本の学生もっとがんばれと、ただ叫ぶだけでは動かなくても、きちんとサポートするシステムがあれば動く人は増えるはず。もちろん選考や基準は必要となるでしょうし、これは決して過保護なことではないと思います。アジアでもたとえば、大学院の最初の半年間、毎日半日は英語漬けという中国の大学(院)の英語教育の気合の入り方(すべての大学ではないとしても)と比べたら、英語教育に関して大学経営陣が本気でどうにかしようと考えているのかちょっと疑問が残る(国立大学法人が民間の英会話学校に丸投げした例も)日本の状況を横に置いて、学生だけに対してやる気がないとか努力が足りないとか責めるのはちょっと違うかなとも。って誰も責めてないか(^^;)。ところで日本国内でも、企業が学生のサマーインターンをもっと積極的におこなってもいいように思います。やりますとかやりましたという声をちらほら聞くので、だいぶ増えているのかも知れませんが。My Twitter account: https://twitter.com/TsutomuAkama
投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2010年4月14日(水) 12:35- 参照(159)
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