San FranciscoでMuniバスやMuniメトロに乗ると、かなりの数の乗客がクリッパーカード(ベイエリア一帯の交通機関で利用できる非接触型カード)をスキャンせずに乗り込んでいることに気づきます。

見るからにホームレスな人が無賃乗車しているのは、ここでは大目に見ることにします。もちろん、ホームレスだから無賃乗車OKって言うつもりは毛頭ないですが、今回注目したいのは、一見すると普通の身なりの人たちが悪びれる様子もなくクリッパーカードをスキャンせずに乗り込んでくる件です。

あまりにもそういう人が多いので、さすがに僕が何か勘違いしているのではないかと考えたりもしたんです。例えば、Muniは90分以内なら乗り換え自由なので、乗り換え客がスキャンしていないとか。でも、本来は乗り換えでもスキャンするのがルールです(90分以内ならチャージされない)。

気になって、一度San Franciscoに住む同僚に聞いてみたことがあるのです。「Muniバス乗るとクリッパースキャンしない乗客が多いけど…あれってどういうこと?」と。彼は、紳士な方なので、頭ごなしに彼らが無賃乗車だ!とは言わず、可能性としてMuniモバイルアプリを利用しているかもということを示唆しました。僕も知らなかったのですが、Muniにはスマートフォン用のモバイルアプリがあり、それを使うと、アプリで運賃を払えるのだそうです。その場合にはスキャン等しないとのこと。

「えっ、そんなシステムだと不正乗車か確認できないよね?」と当然の疑問が思う浮かぶのですが、彼曰く、そのアプリはバスに乗り込む前にアプリでお金を払えばそれでOKで、もし検札があれば、そのアプリを見せてお金を払ったことを証明すれば良いのだとか。

と、一連の説明を終えた後に、彼は付け加えました。「もっとも、みんながそのアプリを使っているとは思えないけどね。」 そうですよねぇ。

わからないけれど、不正乗車を取り締まるだけで、Muniの収益は少なくとも10%以上増えるのではないでしょうか。なんでそうしないのだろう。または頻繁に検札するだけでもかなりの効果が見込まれると思うのですが。

San FranciscoとSan Joseを結ぶCalTrainの場合、各駅から列車に乗り込む際に検札はありません(なので、切符持たずに列車に乗ることは出来る)。ただ、車内ではほぼ確実に検札が回ってきます(自分がCalTrain通勤していた昔の時のことだから今も同じかはわからないけど、多分同じでしょう)。そして、CalTrainは列車内で切符を買うことはできず、切符不所持であれば高い罰金を払うことになります。

一方、BARTですが、こちらは切符(クリッパーカード)がないとゲートが通れません。が、今問題になっているのが、このゲートを乗り越える輩が多いこと。オークランド野球場でのバンドコンサート終了後など、若者たちが次々にゲートを乗り越えていく映像が撮られていて、BARTも対策に乗り出しているようです。

話はMuniに戻りますが、バスドライバーが何か言わないのかな?とも思ったのですが、全く検札する気も注意する気もないようです(一度だけ不正乗車に厳しく対処しているドライバを見たことがある)。

不正乗車している輩のコストを真面目に払っている人たちが負っている訳で、そんな状況でMuniは値上げし続けるだなんて納得いきませんよね。Muni側も何らかの対処しないのでしょうかねぇ?

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2020年2月24日(月) 20:48