辰巳流スープの手ほどきが手頃な本になっていた
各民族おかれた風土の特質と一体化して生き今日につながりという意味で米、味噌、沢庵、出汁を日本人の命の根底とし、その辺りを本気で取り組むことで元気にやって行こうという趣旨出汁が無ければ日本料理は形にも力にもなり得ないということで今回、築地に出向いて昆布を見るに日高の井寒台、普代のすき昆布、都の早煮昆布、その等級分けは厚み長さ、多岐にわたり、用途に応じて牡蠣の昆布焼き、白身の昆布締め用とそれはそれは奥深い世界、これに鰹節が加わり、干椎茸、干魚、最上級のものを求めそろえれば☆☆☆レストランでの1回の食事代をはるか凌ぐ
嗅ぎ分けるべき香は身近にあるのだけど、それら根底は個々の台所から消え行こうとしてるのだから 最近の僕らの将来は大丈夫なのか?国は存続するのか?というなんとなく薄ら寒い不安は日本人がワイングラスをクルクル回し、係わり薄い香をあたかものように嗜むあたりから忍び寄ってきているような気がする干魚の内臓を取り除き、頭と身を分け、別々に鍋で炒り、鉢に当て粉にしたものでじっくり取るだしの味は天然100%と称されるパックのものとは比べられない程の淡であるけど溶液隅々までわたる旨みは優しく素材を包み込む
日本の"旨" というのは淡く仄かでというところに手間をかけ、それでいて口内でなく体内に染み渡る滋味がある
乳製品や脂は体格を変えたけど、気骨というものを欠いた感がある
日本のドッシリを支えた物ってなんだろうと今更ながら
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