先日お伝えしました通り、かもくんは日本の実家にテレビサーバー(かも鯖)を置いて、サンノゼの自宅に居ながら日本のテレビ番組を楽しんでいます。

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この図に描いてあるハードウェアを用意し、必要なソフトウェア(全部フリー!)を導入して、それを24時間稼動させます。テレビ番組の予約はインターネット経由でかも鯖を遠隔操作して行います。録画した番組のダウンロードは、環境にもよりますが1時間番組をダウンロードするのに2時間くらいかかります(サンノゼ側のインターネット事情は日本に比べて圧倒的にタコで、ComcastのケーブルにせよSBC YAHOOのDSLにせよ最大6Mbps程度ですので、そのくらい時間がかかります)。画質は、352x240のmpeg1ですがテレビ画面で見る限りは特に悲しい思いはしません。

日常のメンテ(テレビ番組の予約やアンチウィルスソフトの更新、Windows Updateなど)はすべてインターネット経由の遠隔操作で対応できますが、たまに停電などのトラブルが起こったときは「実家のおかん」に電話して助けてもらっています(たいてい電源ボタンを押してもらうだけで済みます)。

かも鯖を立ち上げたあと、カナダにいるお友だち(ってゆうか弟子?)の日本の実家のサーバー(弟子鯖)も同じ要領で立ち上げましたので、その内容も含めて紹介します。あくまでサーバー立ち上げの一例として参考にしていただければと思います。

■パソコン
「Windowsリモートデスクトップ」の機能を使うため、遠隔操作「される」側になるかも鯖にはWindows XPの"Professional"が必要です("Home"ではだめ)。

Windows XPが動けば、マシンとしては少々ロースペックなパソコンでもOKです。かも鯖はPen4の1.8GHz、メモリ768MBという仕様です。弟子鯖はCeleron 1GHz、384MBですがちゃんと動いています。

24時間稼動していますので、ケースや電源ユニットはできるだけ静音仕様のものがいいでしょう。

モニターやマウス・キーボードはメンテのとき以外は使わないので専用のものを用意する必要はなくて、Plug and Play(USB接続)のマウス・キーボードにして、他のパソコンと共用してもよいかと思います。

テレビ番組はどんどん溜まっていきますので、HDDはできるだけ大容量のものがいいでしょう。1時間番組が、かも鯖(mpeg1)では約600MB、弟子鯖(mpeg2)では約1GBです。160GBでもすぐに一杯になってしまいます。かも鯖は500GB+160GB+160GBを積んでいますがもっと欲しいと思っています。

それから何年も連続運転で使っているとやはりガタが来るもので、CD/DVDドライブが(ほとんど使わないのですが)今までに2台ダメになりました。たぶんホコリが原因と思います。ドライブベイに蓋ができるケースの方がいいかもしれません。ケースファンもひとつ、ベアリングが劣化して回らなくなり日本に帰ったとき交換しました。

■テレビチューナー
テレビ番組を録画するのにテレビチューナーが要ります。かも鯖にはデスクトップパソコンに内蔵するPCI接続タイプのチューナーを、弟子鯖にはUSB接続タイプのチューナーを使っています。

まず、かもくんが一番最初に試したのは、Pixelaのテレビチューナーだったのですが、それは「Windowsリモートデスクトップ」の遠隔操作に対応しておらず、使えませんでした。
使えず: PIXELA - PIX-MPTV/U1W

次に試したのがCanopusのMTV1200HXです。買う前にメーカーで電話で聞いたところ、メーカー側では保証していないとのことでしたが、試してみるとリモートデスクトップで遠隔操作が可能でした。もうかれこれ4年以上になりますが安定して動いています。
かも鯖: Canopus - MTV1200HX (生産終了しています)

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MTV1200HXがいい感じなので、弟子鯖にも同じCanopusの新しいモデル MTVX2004USB を選びました。期待通り基本的にはOKなのですが、録画できる形式が高画質のもの(mpeg2)しかなくて、録画したファイルのサイズが大きくなるという問題があります。
弟子鯖: Canopus - MTVX2004USB (生産終了しています)

MTV1200HXでは、VCD形式(mpeg1)で保存できるので、1時間番組が600MB程度に収まりますが、MTVX2004USBでは保存形式がmpeg2になるので、どんな設定にしてもmpeg1の倍くらいのサイズになってしまうのです。もちろん高画質なのですが、ダウンロードに時間がかかって仕方ありません。

なんとかしようと、mpeg形式の動画ファイルををDivX形式に圧縮できるソフト(CanopusのX Pack2)を買って試したところ、確かに圧縮してくれるので最初はうまく行ったと喜んでいたのですが、一日以上使っているとPCがハングアップするという致命的な問題のあることがわかり(かも鯖でも弟子鯖でも)、メーカーに問い合わせても解決しないのでもう使っていません。

■アンテナ
アンテナあるいはケーブルテレビの同軸ケーブルをテレビチューナーに直結すればOKですが、普通のテレビも接続する場合は、アンテナの信号をふたつに分ける分配器が要ります。何千円もするものもありますが、かも鯖は秋葉原のガード下で売っていた200〜300円程度の分配器で使えています。

antenna.jpg(←クリックして拡大) tn_4975584196943.jpg
■インターネット接続
サーバーの場合は上り(パソコン→インターネット)の速度が重要ですので、上りの速い「光ファイバー」が断然おすすめです。ケーブルやADSLでも可能ですが、上りが光ほど速くないので、テレビ番組をダウンロードするときのスピードが格段に遅くなります。

かも鯖はNTT Bフレッツのファミリー100(上りも下りも100Mbps)を使っています。毎月の支払いは、NTTに5,218円、プロバイダの@Niftyに3,669円です。これについては一度契約したっきり、底値追求(他のサービスとの値段比較や値下げのネゴ)ができていません。弟子鯖もNTTのB フレッツです。

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■ブロードバンドルータ
ルータを使うと設定が結構難しくなりますが、実家のインターネットにサーバー以外のパソコンを接続しようとするとルータが要りますし、セキュリティーの面でもルータはぜひ使った方がいいでしょう。かも鯖はNTTのBフレッツに付いてきた「Web Caster V100」を使っています。

かも鯖をアメリカ側から遠隔操作(番組の予約など)するのに「Windowsリモートデスクトップ(ポート3389)」、ファイルをダウンロードするのに「FTP(ポート20と21)」を使いますので、それらをかも鯖に通すようにルータの設定します(NAPT, Port Forwarding)。ここはちょっと苦労するかもしれません。

以上をまとめると、必要なハードウェアは次の通り。
Windowsパソコン (参考:底値生活的「自作」デスクトップパソコン)
TVチューナー
ルータ
分配器・同軸ケーブル

底値道的には4万〜5万円くらいで全部用意したいところ。ぼんやりと買い物しても全部で10万円もあれば必要なハードウェアが揃いそうです。あとは月々のランニング費用がかかります(インターネット接続、電気代、NHKの受信料(?))。

ソフトウェアについては後日お知らせします。

投稿者: 底値生活 in シリコンバレー 投稿日時: 2007年7月21日(土) 08:00