「ガルグイユー」 というサラダに、この Michel Bras という料理人のすべてが詰まっているように思います。 写真を拡大してみるとわかると思いますが、一切れの野菜、もしくは一つまみの葉っぱを重ねただけのものであり、なんのソース(ドレッシング)もかかってません。皿の手前にごま塩や、数種のピューレが置いてありますが、サラダ自体はただの野菜です。ただし・・・・・・・・葉っぱ以外のそれぞれの野菜のひとつひとつに、微妙に火が通っています。そしてその野菜のむき方ですが、これもまた一品一品違うのです。手でちぎったもの、棒状に切ったもの、短冊に落としたもの、丸くむいた物・・・・・大根やゴボーなど、短冊状のものはきれいなカーブを描いて反っており、これはまさしくその素材のうまみを最大に引き出せるタイミングで火が通った証なんでしょう。その一つ一つの野菜を口にしていくと、裏山や畑から掘り起こし、手で摘み取ってきた自然の恵みのひとつひとつを、手にとって感謝している料理人の姿が目に浮かびます。それらををちぎり、むき、たくみに温野菜と生野菜に仕分けて盛り付けられた・・・・それが「ガルグイユー」でした。Michel Bras は、毎年秋に1週間ほど洞爺湖を訪れ、自ら腕を揮うそうです。
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