現在、アメリカ本土に2店舗ある讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺。うち一店はSan FranciscoのStonestownモール内に店があります(もう一つは南加にある)。
が、なんと、この店、もの凄い人気店で45分程度は待つとのこと。日本人にとってみれば、丸亀製麺は日本国内に約800店舗あるファストフード店。イオンモールのフードコートはじめ街のあちこちに店舗はあるので、45分もかけて並んで食べるような店じゃないですよね。なので僕も行く気は全くなかったんです。が、先週末たまたまStonestownに行ってみたので、せっかくだから人気の丸亀製麺にチャレンジしてみました。って、前の晩に飲み過ぎて胃に優しいものが食べたかったりしたんですが。
丸亀製麺がオープンするのは午前11時。この写真は午前10時時点のもの。さすがにこの時点では待っている人は皆無。店舗は結構大きくて、ダイニングエリアは店内とテラスにあって席数も多いです。
実は、僕はSan Franciscoに以前住んでいたのにStonestownモールに足を運んだことはなかったので、ちょっと店内をぶらり散策。ダイソーをパクったメイソーなんて店があったりして面白かったですね(その店のことはまた今度書きます)。で、そろそろ並びだすかな?と10時45分頃に丸亀製麺に戻ったら、おおっ、列が出来ている!でも、席数はかなり多そうだから、そんなに待たなくても入れそう…と並んでみました。
店舗前の列なんですが、ちょっと厄介なことに、歩道をブロックしないように、列が3か所に分断されています。まずは店舗入口ドアの前に10名程度並べます。そのまま列が続くと、店から出るお客や店に入るスタッフを塞いでしまうので、それに続く列は、テラス席の脇に続きます。そこで"己"の字型に並ぶと、また列はワープして、歩道の端っこに続きます。
僕が並んだ10時45分の時点では、テラス席脇のラインに並んだのですが、ここの列が非常に長くなって歩道を塞ぎだしていました。それを見つけたスタッフが、テラス席脇の列の後ろ半分を、歩道の端っこのライン待機所へと誘導しました。僕もそこに移動させられましたが、幸い、スタッフの誘導で、順番が変わらないように移動できました。
この時点で、歩道の端っこライン待機所には誰も待っている人がいなかったから良かったものの、もし、そっちにも待っている人がいたらスタッフはどうしたのだろう?と気になります。正直、今回対応した誘導スタッフは声も小さい上、押しも弱そうだったので、ゴネる客がいたら厄介だったろうな…と(今回はそういう客はいなかったのでスムースにコトは運びました)。その後は、店外の列を担当するスタッフがそこに常駐していたので、お客さんの並ぶ場所は誘導できていた様子。
11時になり店舗がオープンします。たぶん、これがレストラン形式でまずお客が座席に案内されるのであれば、僕も一巡目で席に座れたと思います。が、丸亀製麺はカフェテリアスタイル。入店して、トレーを取り、うどんを選び、トッピングを選び、会計を済ませて席へ向かいます。うどんを提供するのに多少時間もかかるので、列はいきなり進むことはなく、チマチマと進んで行きます。
ようやく僕が店内に入った時点で、時間は11時半近くなっていました。
メニューは基本、日本の丸亀製麺と変わらないのですが、
日本で見られないメニューとして、とんこつスープや、タイ風スパイシーチキンなどがありました。
また、天ぷらもズッキーニの天ぷらがあったり、パクチーをトッピングできたりと、海外ならではな一面も。
店内は日本のようにオープンキッチンで、目の前でうどんを湯がくところを見られます。
天ぷらを揚げたり、おにぎりをつくるのもガラス越しに眺められるので、アメリカ人には珍しいかも。
さて、この日、僕がいただいたのは安心の(?)肉玉うどん大盛り。トンコツやタイ風にチャレンジすべきか迷いましたが、先に述べたように、この日は前夜の飲み会の影響で、胃袋が優しいものを求めていたので肉玉うどんに(優しいのか?)。
列に並んで45分でようやくうどんをゲットしてテーブルに着きました。
さて、お味は!? いただきまーす。
味は日本の丸亀製麺と遜色なし。普通に美味しいです。
天ぷらもおにぎりも美味しくいただきました(食べすぎ!? ついつい取りすぎちゃうんですよねぇ)。
はい、45分待って、10分で完食です。
しかし、この人気はいつまで続くのでしょうか?
丸亀製麺って、言わば、ファストフードのようなものですよね。MacDonaldに1時間並んで食べる人なんていないだろうに、物珍しさも手伝って、まだまだ人気は続くのでしょうか。僕の後ろに並んでいる人曰く、メディアに取り上げられてから一層人気に拍車がかかったのだとか。
もうひとつ、この店の人気の理由はお手頃な値段にあるようにも感じます。釜揚げうどんのお値段は$4.50と極めて安い。昨今のSan Franciscoの物価高を考えると、このお値段はお手頃です(しかも、グリーンオニオンや天かすは盛り放題…w)。
こういったカフェテリアスタイルだと、うどんを受け取ったが席がない!って状態にならないのか心配なのですが、どうやら、うどんの提供スピードがそれほど速くないため、常に結構な割合の空席が出来ているようでした。
ただ、もし大人数のグループで行ったら、離れて座らないとならなくなるかもです。
知らなかったのですが、丸亀製麺、世界13カ国に211店舗展開しているとのこと(アジアが中心で、ロシアにも複数店あることにビックリ)。ベイエリアにももっと店舗が増えて欲しいところです(新規オープンするHillsdaleのフードコートに入って欲しい!)
ところで、うどんと言えば、あの店のことを語りたくなってしまいます。
その昔、San Mateoのダウンタウンに「とんぼ」といううどん店がありました。日本人のおじちゃんとおばちゃん夫婦でほそぼそと切り盛りしていたお店で、店主自らうどんを打つその店のうどんはコシがあって丸亀製麺よりも美味でした。
ひとつ問題だったのは、接客担当のおばちゃんがちょっとクセのある人で、子供嫌いだったそうです。僕の周りでも、子連れで店に行って、ぞんざいな扱いを受けたという話を結構聞きました。幸い、当時、僕は独り身でしたから、個人的には、全く不快な思いをすることはありませんでした。まだラーメンブームも起こる前のことですので、麺類、ましてやうどんに興味を持つアメリカ人も少なく、日本人客も家族連れは遠慮していた店だったので、いつ行ってもすんなり座れて、美味しいうどんをいただくことができました。客も少なかったので給仕はおばちゃん一人でしたね。
ところが、ある日、とんぼが、ローカルの新聞に取り上げられます。その日から、お店は、てんやわんやの大盛況。一人で給仕していたおばちゃんは、うどんのことも良く知らずにやってきたアメリカ人客相手に苦手な英語で接客しなくちゃならなくなりました。店員が一人なので、あちこちのテーブルから "Excuse me!" "Excuse me!" と言われ、ついにパニックになったおばちゃん、大声で、
ストップ~
と叫んでしまっていました。
ほどなくして、店はウエイトレスを雇ったのですが、そのころには店の人気も下火になり、以前のような静かな店になり、ウエイトレスもすぐにいなくなっていました。
そして、いつしか店は閉店となりました。風の噂で、ラスベガスで隠居したと聞きましたが、実際のところは分かりません。
あの店が、はじめから英語の話せる給仕を雇っていれば、家族連れも入ったろうし、ローカルメディアに取り上げられた後も行列のできる店になっていたのでは?と思います。が、スロービジネスでもベガスに隠居できたのなら、ローカルメディアに掲載されたのは、オーナー夫婦にとっては迷惑この上ない出来事だったのかも知れません。
丸亀製麺
3251 20th Ave., SAN FRANCISCO, CA 94132
営業時間 11am-11pm
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