metabola桐野夏生(きりのなつお)の作品を読むのはアンボス・ムンドスに続いてこれが2作品目。前回読んだアンボス・ムンドスは、女性たちの嫉妬、憎悪、怨念やエゴといった醜悪な姿が描かれた短編集で、正直、読みながらもかなーり不快になってしまった。ちょっと脱線…桐野夏生って名前が中性的なので男か女か分からなかったけど、女性なんですねー。アンボス・ムンドスで女性の醜さがこれでもかというほどに描かれていただけに、女性に違いない!と思ったが、その後、「夏生」が「なつお」とルビされているのを知り、ひょっとして男性?と思い始めた。が、その後、女性だったと知った。閑話休題だから、再び積極的に桐野作品を読もうとは思わなかったが、1冊だけで作者を判断するのもなんだからと手に取ったのが長編小説のメタボラ。このメタボラ、主人公の <<僕>> が何かから逃げて、沖縄のジャングルを彷徨うシーンから始まる。良くありがちな物語の導入部ではあるが、その地で様々な人間と触れ合い、助けられながら、次第に失った過去を取り戻すという展開。~以下、ネタバレあり~続きを読む

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2010年2月25日(木) 22:53