勝負に出てる感がにじみ出るMcCainの副大統領候補。アラスカ知事、5人の母、44歳なり。「いったい誰?」と皆思っているアメリカでした。HillaryはObamaに負けたとはいえ、予備選で1800万票近く獲得したわけで、しかもその多くが女性票。McCainはこの「女性票の獲得」に出たか、と。でも世の中はそんなに甘くない。「Hillaryはここまで来れたのは、女性だからではなく、優れた能力があったから。それを、こんな無名の候補を単に女性だからといって出してくるとは何事。女性にとって失礼である」といったコメントも複数回耳にしました。(余談ながら。何年か前、シリコンバレーに住むとある日本人男性が、「日本人女性はアメリカではマイノリティーとして優遇されるせいでいい大学に入れるから、どんどん挑戦して欲しい」みたいな文章をとある日本語メディアに書いていて、「はぁ、まだこんなことを言う人がいるかねぇ」と遠い目になったのだが。つまりその人って、「女性があげてきた成果は、優遇されてきたからこそあるもの」と思ってるわけで、男性と対等の存在と見てないわけですな。マイノリティーなのは日本人男性も一緒なんですが・・・。もとい、今回のMcCainの選択も「ヒラリーもアラスカ知事も同じようなモンだ」と思ってるんかい、と怒ってる人がいるわけです。)また、McCainは、これまでObamaが経験不足だ、とひたすら攻撃してきたのに、自分の副大統領はもっと経験不足な人をもってきたわけで、それって何事?と。さらには、McCainは副大統領候補にこれまで一回しか会ったことがないそうで、「知りもしない副大統領を持ってくるとは国政をなめてるのでは?」という人もいる。あと、副大統領候補を発表する際に、普通は「私に何事かあったときには代わって大統領となる人」と紹介するものなのにそう言わなかった(つまり信用してないのか?)とか、いろいろ揚げ足取りが起こっております。とはいうものの、フレッシュなチョイスには間違いなく、打って出た、という感じ。Obamaに投票することで「歴史的大統領の誕生に貢献した」と思う人が沢山いるのでは、という予測があるが、McCain側も「歴史的『副』大統領の誕生に貢献した」という投票者をゲットできる可能性がでてきたわけです。ちょっと前に、「マスコミの予想が当たらないことで心洗われる大統領選」というエントリーを書きましたが、今回の副大統領の選択もまさにそれ。全くのダークホース。アメリカは本当に「予定調和」というものとは程遠い国なのであります。マスコミに取り上げられた上記の様々なコメントも、実際の選挙がどう進むかとは恐らく全く関係ないんですよね。勝負はこれからなのでした。
投稿者: On Off and Beyond 投稿日時: 2008年8月30日(土) 16:47- 参照(189)
- オリジナルを読む