地方新聞のHPを読んでいると気になる見出しが出ていました。クリックすると、珍しくフルネームで日本人の名前だったのでそれにもつられて読んでしまいました。 逆境から人生を逆転させたティーンエージャー(英語記事)やっと10代になったばかりのTeruko Dobashiさんはサンフランシスコの中でも非常に治安が悪いと言われる Hunters Pointでヘロインを売り始めました。ある日、いつものように街で麻薬を売っていると、見知らない麻薬中毒者が近づいてきて、「間違いなく定期的に買ってくれるいい客を紹介してやるよ。」と言います。その人は反対側の道路に立っている、ジーパンをはいて赤いシャツを着て頭に布を被った女の人を指さしました。何と!それはてる子さんのお母さんだったのです。「自分の心臓が止まるかと思った。そして自分はここで何をしているんだ!と思った。」とてる子さんは当時の気持ちを語っています。それ以来、てる子さんは麻薬を売ることを止めました。自己嫌悪と劣等感の10年間、自殺願望を持って、自分の腕を切りつける事で生きてこれたてる子さんでした。今日、てる子さんは17歳。Jefferson High Schoolを今年卒業し、オークランドのMillsカレッジに通う予定です。そしててる子さんを代表に7人の高校生と3人の大人が想像を絶する厳しい環境から自分の人生を切り開いた事で表彰されました。てる子さんは、娼婦で麻薬中毒であったお母さんから、未熟児で赤ちゃんの体内まで麻薬が入り込んだ状態で生まれました。周囲の人達はてる子さんもどうせお母さんと同じ道を歩むさと思っていました。腕を切りつける事で自分を慰め、自殺ばかり考えていたてる子さんでした。でもてる子さんはナイフの代わりにペンを持って詩を書くようになりました。「ペンと紙はいつも自分を受け入れてくれた。自分を見下す事もなかった」てる子さんは自分の人生は他人を待っていたら何も始まらないと言います。自分の人生を変えるのは自分だけ。自分の意思だけ。ファーストフードのスーパバイザーの仕事とサンフランシスコのYoung Women's Developmentで企画の仕事をこなし、学校ではカウンセラーをしています。夢は学校のカウンセラー、Jeff Lieppmanのようなカウンセラーになる事。 17歳のてる子さんに心から声援を送りたいです!未成年者でこんなに厳しい環境の中、一時的には法も犯しながらけなげに生き延びて、明るい未来に生き方を方向転換させたてる子さん。アメリカのこの地方新聞は「未成年者T子さん」ではなく正々堂々と「土橋てる子さん」と名前を書いて敬意を表している事にも心を打たれました。こんな素晴らしい方の名前を未成年者だからと言って何故隠す必要があるでしょう!貴方もそう思ったらぽちっ。
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