日曜日の新聞に、最近アメリカでグリーンカードを取得してから市民権を得る人が増え、その期間が短くなっているという記事が出ていました。昨年度の市民権申請の数は140万件で2006年約2倍だったそうです。グリーンカードを取得してから市民権が申請できるようになるのは5年後ですが、10年以内に市民権を取得する人はアジア系では57.2%で、1980年代からは10ポイント以上上昇しているそうです。
そんな中、1995年以降にグリーンカードから市民権を取得した人の市民権取得率を国別にみると、一番多いのがウズベキスタンで87%、一番少ないのが日本で8%だそうです。市民権を取得する率が少ないランキングは、日本を頭にオランダ(12%)、オーストラリア(14%)、ドイツ(15%)、アイルランド(18%)と続きます。取得率が高いほうは、ウズベキスタン(87%)、ベラルーシ(82%)の後はアルバニア、ウクライナ、モルドバ、ブルガリアあたりまで、横一線で79%。
日本人はグリーンカードを取っても10年以内に市民権を取る人は1割にも満たないんですね。これは日本が二重国籍を認めていないことが理由の一つと考えられますが、2位のオランダは二重国籍を認めているにもかかわらず取得率は低いようです。日本人の場合は仕事での長期滞在のためにグリーンカードは取得したが、骨を埋めるつもりはないし日本国籍は捨てられない、という人が多いのでしょうか。私の周りには永住権取得後5年待って直ぐに市民権を取得された方が多いので、この8%という数字が意外でした。
記事ではグリーンカード取得の理由の一つとして、参政権が上げられていました。自分の子供が育ってゆく社会に対して傍観者としてではなく積極差的に参加したいというコメントがあげられていました。この他にも家族の呼び寄せのために市民権を取ったり、政府の仕事につくために取得する人が多いそうです。
日本は二重国籍は認めないことになっていますが、他の国の国籍を取ったことは自己申告になるのでそのまま申告せず、「事実上二重国籍」としてパスポートを二つ持ち続けているというケースもあるようです。確かに、「国籍を捨てるか」といわれたら迷いますが、「追加でアメリカの国籍も取るか」という選択肢なら永住するつもりや可能性があるのなら取っておくほうが何かと有利な点もあるようです。
日米両国の二重国籍についての見解、法律は以下の通り。アメリカも、法律上認められている(言及されていない)だけで、方針としては支持していないと書いてあります。
米国政府は二重国籍の存在を認め、アメリカ人が他の国籍を持つ事を認めてはいますが、その事が原因となって問題が生じることがあるので、方針としては二重国籍を支持していません。二重国籍を持つアメリカ人に対してアメリカ国民としての義務を要求する場合に、それがもう一方の国の法律に反するような状況に陥ることもあるからです
二重国籍にについて(アメリカ大使館ホームページ)
日本は国籍法でしっかり二重国籍は認めないとされています。
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
日本の国籍法(民事局ホームページ)
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