アメリカでは居酒屋人気がジワジワと上昇中。先日もサンフランシスコ・クロニクル紙に居酒屋特集記事が組まれ、ますます人気に火がつきそう。そんな昨今、サンフランシスコに新たにオープンしたのがジャパニーズ・タパス Sozai Restaurant。早速足を運んできました。
この店、なかなか面白いコンセプトで、良い意味で期待を裏切られました。
店内に足を踏み入れると、小さいながらもこ洒落たつくりで、居酒屋からイメージするような日本のサラリーマンがちびちび飲んでいる雰囲気はありません。各テーブルにははじめから、グラス、ガラスのお猪口、小皿、箸が並べられ、プチ高級感があります。こてこての居酒屋を想像していたから、このインテリアと内装は意外でした。みんなでワイワイというよりは、デートなんかで使いたいような、それでいて肩肘張らずに楽しめるような、そんな雰囲気です。
テーブルに座って、ビールをオーダーすると、ウエイトレス自ら我々のグラスに注いでくれました。このビール・グラスが日本で飲むビール・グラスのような小ささで、アメリカのビール・グラスの大きさにウンザリしていた僕には目新しく感じます。
スタッフは、てっきりほぼ全員が日本人なんだろうと思いきや、これまたハズレ。
カウンター越しにのぞけるキッチンにはシェフが3人。うち一人が日本人女性(別なお客と日本語で会話していたから判明)、別な一人は若いアジア人で日本人か中国人か韓国人か見た目には不明。そして、最後の一人は若いアングロサクソン系(白人)男性で、なかなかカッコいい感じでした。彼目当てで、カウンターに座る女性客がいてもおかしくなさそう!?
そして、ウエイト・パーソンは2名。一人はこの店のオーナーと思わしき中近東系の男性。この人は日本語が話せて、キッチンにいる日本人女性の旦那さんなのだそうです。もう一人はアングロサクソン系(白人)男性。
ベイエリアの居酒屋と言えば、どこもかしこも日本の居酒屋を丸々そのまま持ってくることを理想にしているような店が多い中で、この店のコンセプトは故意かどうか分からないながらも、他とは一線を画しています。特に英語が堪能なスタッフが給仕をしているのは、居酒屋文化の底上げをはかるには好都合でしょう。英語がそこそこ話せる日本人スタッフによる説明よりも、ネイティブ・スピーカーの説明の方がお客さんも納得するでしょうし、アメリカ人客が何をどう考えているかも汲み取れるでしょうから。
さて、肝心の食事です。
メニューには定番メニューの他にその日のお勧めメニューがありました。ちなみにこの日は秋刀魚を使ったメニューが並んでいまして、秋刀魚の蒲焼・塩焼・煮付・南蛮漬とありました。
写真はアペタイザーにお勧めされた枝豆ハマス。ハマスってのは中近東で食べられているひよこ豆をすりつぶしたものらしいです(詳細不明、間違っているかも…)。フライにしたワンタンに乗せて食べますが、これ美味かったです。
そのほかにも串焼き・串揚げ・一品もの・サラダ・お茶漬け・そば 等々、居酒屋にあるメニューは一通りカバーされています。
いろいろ食べてみましたが、どれもこれも、普通に美味しくて、及第点はあげられますが、サウスベイ方面にある居酒屋の先人たちの味には及びませんといったのが正直なところでしょうか。それでも、値段は良心的で、ボウル一杯の水菜サラダが$4.5と、どの小皿もお手ごろ感がありました。
お酒はと言えば、どうやら日本酒に力を入れていきたい様子で、様々な銘柄が揃っていました。今回、獺祭の四合瓶をいただいたのですが、一本$35なのは良心的な価格設定ではないかと思われます。ウエイターも日本酒に関する知識を持ち合わせており、お互いにどの日本酒が好みか、なんて話もできました。
まだオープンして日が浅いのだけれど、既に金曜日、土曜日はかなり混雑していると聞きます。これからますます人気の店になりそうな雰囲気です。
Sozai
1500 Irving St (16th Ave の角)
San Francisco, CA 94122
(415) 681-7150
https://www.sozaisf.com/
月・火はクローズ
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