Hayes Streetにある寿司屋Sebo。ベイエリアに星の数ほどある寿司屋のなかで、この店がユニークなのは、やはり寿司職人が青い目をしているってことでしょうか。寿司カウンターの奥に立って寿司を握るのはまだ若いDannyとMichaelの二人組。

店の装飾は流行りの和を意識したモダンなデザイン。じゅらく壁に障子をモチーフにした照明が取り付けられ、2人掛けのテーブルを上から見た形は台形で、なかなか洒落たつくりになっている。店はそれほど大きくはないけれど、隣のテーブルとの距離も十分に保たれて居心地は悪くない。

メニューは寿司か刺身のみと言い切ってしまえるほどにシンプル。ただカリフォルニア・ロールに代表されるアメリカン・ロールがメニューにはないのがこの店のこだわりか。アペタイザーは枝豆と酢の物程度。どうやらキッチン物は無い様子。寿司カウンターで用意できるものしか置いていないのだろう。

オリオン・ビールを飲みながら、酢の物と寿司を適当にオーダーする。
まず最初に出された酢の物は、ワカメときゅうりの酢の物にメダイの刺身が3切れのった一品。このプレゼンテーションが素晴らしく、器は一見すると伊万里のようで見た目に美しい。中に盛られた酢の物も上品さがあり、このままこの一品を赤坂あたりの料亭で出しても十分通用するんじゃなかろうかと思われる。

さて、肝心の味ですが、何かが一味足りない。酢が弱いように思える。アメリカ人向けに意図的に酢を弱くしてあるのかも知れないが、日本人には物足りない。見た目が素晴らしかっただけにちょっと落胆。そして、上にのったメダイがいただけなかった。このメダイの刺身、やや生臭くちょい食べるのがためらわれた。

ついでやってきた寿司。この寿司が盛られた皿が、土色のいかにも手作り感のある焼き物で、その上にのった寿司の美しさが一層引き立っている。プレゼンテーションの見事さに再び感動。ちなみに、寿司は全体的に小ぶり。ウニは軍艦ではなく、握りで出てきた。

で、肝心の味。
基本的に、ネタは新鮮で美味しくいただけた。が、ちょいと難アリなのがシャリ。シャリは粒の小さな日本米を使っているようだが、やや乾いた感があり固め。口の中で最後まで米が残る感がある。酢メシの酢の利きは弱め。それでも、全体的には寿司は十分に美味く、アメリカの寿司屋としては及第点はあげられる。

寿司の好みは人それぞれだけれど、僕の好みからはややずれているかな。酢が弱いのはアメリカ人の好みに合わせてあるのかも知れない。ただプレゼンテーションは素晴らしいし、店の雰囲気も悪くない(多少賑やかだけれども)。

寿司にチャレンジしたDannyとMichaelの心意気には素直に賛辞を送りたい。これからも店が盛り上がっていくことを祈ってます。

517 Hayes St
(between Laguna St & Octavia St)
San Francisco, CA 94102
(415) 864-2122

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2007年10月29日(月) 08:12