いつも前を通る度に、大勢のアジア人で賑わっていて気になっていたレストランがここ、Geary Stにあるベトナミーズ・レストラン Anh Hong。先日、遂に足を運ぶことができました。
このレストラン、フォーが中心のベトナミーズ・ファーストフードではなく、真のベトナム料理を出す店(注:"Authentic"って日本語で何て訳すのだろう?ここでは「真の」と書いたけどAuthenticって意味です)。そして、この店の自慢が「牛の7品コース」。
これは僕も知らなかったのだけれど、ベトナム料理の定番に「牛の7品コース」や「牛の9品コース」というものがあるのだそうだ(ベトナム人談)。そして、ベトナム人の間では、どこどこのレストランの7品コースや9品コースが美味しいといった話で盛り上がるのだそう。
この店のメニューを開いた1ページ目にこの7品コースが紹介されているんだけど…
- ビーフ・サラダ
- ビーフ・フォンデュ
- 蒸しビーフ
- ビーフのLot Leaf包み
- グリルしたビーフ・ソーセージ
- レモングラスとグリルしたビーフ
- ビーフのお粥
どう、このメニュー、食べてみたいと思います?
これを目にした多くの日本人は食指が動かないのじゃないだろうか。これだけのビーフを想像しただけで、食傷になりそう。でも、ベトナム人がそこまで入れ込む7品コース、一度は挑戦しなくては!ということでオーダーしてみました。そして、これが大正解!
まず、1品目が牛肉サラダ。牛肉サラダと言っても、牛肉はほとんどオマケでメインは野菜。写真を見てもらってもどこに牛肉があるか分からないでしょう?甘酸っぱいドレッシングがかかっていて、いかにも東南アジアって感じの一品です。ところで、この7品コースをオーダーすると、フラットな皿と小さなボウルを持ってきてくれるのだけど、このサラダは皿ではなく、ボウルを使って食べるようです。皿は乾いた状態のまま、2品目以降で使う必要があるので、サラダを取り分けるのに皿を使ってはいけません。え、どうして知っているかって? えー、皿を使っていたら店員さんに注意されました。店員さんは、親切にも乾いた新しい皿を持ってきてくれました。ありがとう。
ちなみに、サラダと並んで写っているコップに入ったソース2品と真っ赤なカラシは、2品目以降で使うようです。サラダと一緒に持ってきてくれたのでサラダにかけるのかと思ってしまって一緒に写したけど、サラダはドレッシングがかかっていました。ソース2品のうちの左側(赤くて透明)は甘酸っぱいソースで、これはベトナミーズレストランで比較的目にするもの。もう一方の茶色いソースは何かを発酵させたソースだと思います(何かは不明)。ちょっとした臭みがあるけど、それがまたクセになるウマさ。好き嫌いが分かれると思われるけど、こういうのが好きな人にはたまらないでしょう。
こちらが2品目のビーフ・フォンデュ。というとハイカラ(死語?)だけど、しゃぶしゃぶです。テーブルの上に小さなコンロが用意されて、固形燃料に火がつけられると、気分はどこかの温泉宿(ホントか?)。さて、しゃぶしゃぶと言ってもゴマダレにつけて食べる訳じゃありません。ここはベトナミーズ、そう、自分たちで春巻を作って食べます。
写真にあるように(って見えないか)、きゅうり、にんじん、大根(これはほんの少しだけニンジンに隠れるように入っていた)、もやし、レタス、そしてハーブ各種(大葉、パクチー、バジル、名前の分からないドクダミみたいな匂いのするハーブ)がごそっとテーブルに出されます。そして、定番のライスプレート。このライスプレートをお湯に浸し、小皿の上に広げ、その上に野菜やハーブ、そしてしゃぶしゃぶした牛肉を乗せて巻きます。小皿をサラダのドレッシングで濡らしちゃダメなのはライスプレートを広げるからでした。
卓上には醤油皿のような小皿があるので、そこに自分で好きなようにソースを混ぜて春巻用のソースを作ります。そして、春巻をそのソースにデップしていただきまーす。
上のメニューリストにある3品目から6品目まではすべてがひとつの皿に載ってテーブルに出されました。蒸しビーフはつみれのような団子状の一品で、添えられたクラッカーに乗せて食べます。これがやわらかくて超うまな一品! 同じ皿に載っている、ビーフのLot Leaf包み(Lot Leafもハーブの一種)、グリルしたビーフ・ソーセージ、レモングラスとグリルしたビーフは、どれもソーセージのような形状でした。これらも春巻に巻いて食べます。いずれも、とても柔らかくて美味しかったです! 写真はソーセージを包むところ。欲張って2本を一度に包んでしまいます。
ライスプレートはかなり量が多くて食べ切れませんでした(といってもあまったのは2枚だけ)。途中、野菜が無くなりそうになったら、店員さんが何も言わないのに追加野菜を持ってきてくれました。ハーブもこんな食べちゃっていいの?ってくらい食べました。しかし、はじめて食べたドクダミのような香りのするハーブは一体なんていうモノだったんだろう?細長くとがった葉でした。
最後に出されたビーフ粥もあっさりしていて、するっと胃に流れ込みます。これも、ビーフはほんのちょっとしか入っていないので、意外とさっぱりしています。
正直、オーダーしたときは、牛肉がメインでこれでもかっ!て言うくらい、肉・肉・肉な料理になるのだろうかと想像していたんだけど、実際には牛肉の量はそれほど多くなかったかな。十分美味しく食べられました。
また、この日、店内はほぼ満席だったのだけれど、見渡す限りほとんどのテーブルでこの7品コースが食べられていました。そこまで有名だったんですね。料理も美味しかったし、円卓がいくつもあるので大勢で行ってワイワイ食べるのも楽しそう。
Anh Hongのweb siteに7品コースの写真が載っていますので興味があれば見てください。web siteを開くとわかるように、最初から "Bo 7 Mon" なる文字が。これ、ベトナム語でビーフ7コースの意味です。そこまで気合が入っているというか、この店の名物と化しているメニューってことですよね。
Anh Hongはチェーン店のようで、サンフランシスコの他にミルピタス、サンノゼ、L.A.などにも店舗があるようです。
また是非行きたいレストランです。そうそう、気になるお値段ですが、ビーフ7品コースの一人当たりの値段は確か $18弱だったように記憶しています。Web Siteには$16.50-とありますが、確か$17.50-くらいだったような…。いずれにしても、お値打ちだと思います。
Anh Hong
808 Geary Street (at Hyde)
San Francisco, CA
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