ドル安が続いている。円ドルだけのここ2年くらいの関係を見ると円安ドル高だが(ここ数週間若干円はドルに対して値を上げたが)、世界的に見ればドル安円安。ついに1ユーロ=$1.4を超え、1カナダドルも1US$を上回ってしまった。今ヨーロッパに旅行に行くとスターバックスのコーヒー1杯$6するとか、カナダの住民がアメリカにドライブで買い物に来る人が増えている、といったニュースをよく目にする。サブプライム問題による市場の混乱を軟着陸させるべくFRBは金利を下げているが、それがドル安に拍車をかけ、今度は輸入品(特に石油などのエネルギーや金などのコモディティ)の価格の上昇が心配されるところ。サブプライム問題というのはどの程度のロスを誰が被ることになるのかまだ全貌が見えていないが(subprime loanのリスクがsecuritizeされて方々にCDOなど形で分散されていて、かつ、これらの買い手はhigh leverageをかけているため誰がどれくらい損しているのかが見えるのに時間がかかる、とういのが私の大雑把な理解)、個人的な予想としては、かなり根が深い問題で、だからこそFRBは異例のテンポで金利を下げ流動性を供給している状況なんでしょう(それによってドル安が進んでも)。ただ、短期的に市場は持っても、徐々にサブプライムの全貌が明らかになるにつれて(2008年前半?)、マーケットの下方修正は避けられないというのが私の予想。絶好調だったアメリカ経済も次第に失速し(住宅市場調整、株価下落、消費者マインド低迷)、世界の為替市場のドル本位の時代もとうとう終わろうとしているのかもしれない。来年の大統領選挙、景気回復が争点の一つとして急浮上することも有りうる。
投稿者: シリコンバレー駐在日記 投稿日時: 2007年9月23日(日) 21:16- 参照(261)
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