米国西海岸は山火事の影響で大気汚染が深刻で連日ニュースになってます。

今現在、世界の大気汚染ワースト都市ランキングは、1位ポートランド、2位シアトル、3位サンフランシスコと上位は西海岸の都市が独占しています(出典:https://www.iqair.com/us/world-air-quality

大気汚染の度合いはAQI(Air Quality Index 空気質指数)と呼ばれる指数で表されニュースや天気情報などで伝えられていますし、IQAirなどのサイトで各都市のAQIの値を知ることができます。ちなみに、今現在、僕の住むFoster CityのAQIが174で "Unhealthy" となってます。

"Unhealthy"と言われると、これは大変!!って思ってしまうんですが、実際どの程度健康に良くないのでしょうか。何か分かりやすい例えがないものか… とちょっと調べてみました。

まず、そもそもAQIはどうやって導き出されるのでしょうか。

AQIという概念はどの国にもあるようですが、その値は統一されておらず各国バラバラで決められているようです。アメリカのAQIの算出方法はWikiに掲載されていました。

これによると、AQIの算出には、空気中のオゾン、PM10、PM2.5、一酸化炭素、二酸化硫黄、二酸化窒素の濃度によって決まります。先に紹介したIQAirでは各都市のAQIを知ることができ、上記物質の濃度も公開されています。

("物質"と書きましたが、PM10とPM2.5は特定の物質ではなく超微細粒子のことで、PM10とは直径が10μm以下の粒子、PM2.5は直径が2.5μm以下の粒子です。なのでPM10とPM2.5に関しては特定の物質ではなく、めちゃくちゃ細かい粒子のことですね)

IQAirのサイトで山火事が発生している西海岸の各都市はPM2.5の濃度が高いものの、他の濃度は示されていません。単にIQAirのサイトがPM2.5以外は無視している?とも思ったりしたのですが、インドのデリーの状況を見ると、PM2.5以外も満遍なく値が高いことが分かります。

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そこでAQIを表示している他のサイトを見たところ、オゾンや一酸化炭素等のAQI値も示してありました。これを見ると、Foster Cityをはじめとする西海岸の都市の場合、PM2.5以外は極めて低いので、ここではPM2.5のみについて話を進めることにします。

今現在のFoster CityのPM2.5の濃度はIQairによると、101μg/㎥となっています。

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PM2.5が101μg/㎥の場所ってどんなところなのでしょう?

ネット上に日本禁煙学会なる団体の作成した受動喫煙ファクトシートなる資料がありました。

2010年の資料ですが、ここに、日本国内の飲食・サービス店におけるPM2.5の濃度がプロットされています。これによると、

  • 全面禁煙の珈琲店. 8μg/㎥
  • 完全分煙のファストフード店の禁煙席 32μg/㎥
  • 自由喫煙パチンコ店 148μg/㎥
  • 不完全分煙居酒屋禁煙席 336μg/㎥
  • 自由喫煙居酒屋 568μg/㎥

となっています(資料には他にもいろいろな観測点があるので興味のある方は目を通すと面白いかも)。

これと比較すると、現在のFoster Cityの空気は、「ファストフードの禁煙席よりも悪く、パチンコ店よりはマシ」というレベルでしょうか。

個人的に、自由喫煙パチンコ店のPM2.5の値が意外と低いのにびっくりです。僕が一時期毎日のように通っていた地方都市のパチンコ店は、店に入ると服がヤニ臭くなってしまっていましたから。もっとも私がパチンコ通いしていたのは30年前のそれも地方都市、この資料は2010年の日付が記載されているので、20年の隔たりが大きいのかも知れません。

現在、Foster CityのAQIは Unhealthyとのことですので、呼吸器疾患など持病がある方は正しく対処する必要があるでしょう。が、健康な方にとってはパチンコ店や居酒屋禁煙席よりはマシと考えることもできます。

当然、不用意な外出は控えるべきでしょうが、永久にこの状態が続くわけでもないので、あまり神経質になる必要もないのかな… と感じた次第です。朝から夕方までパチンコ店に通っていた時期と比べると、今の方がマシって訳ですからね。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2020年9月10日(木) 09:12