前回、オンライン会議で本当に顔を見る必要あるの?と題して書きましたが、欧米で音声のみの電話会議に抵抗がない、というか慣れていることのベースにあるのが、そもそもの電話の使い方かな?と思いましたので、追記として書いておきます。2000年に日本からアメリカに行って驚いたことのひとつが、電話文化の違いでした。日本の会社にいたときは、電話は管理職にはそれぞれ1台ありましたが、それ以外の社員は一つの島または部屋で1台を共有するという形でした。製薬会社の研究所では、日常的に電話を使う頻度は高くなかったということもあります。ただそのために、他部署の人と話したいときは(特に電子メールが普及する前)、時には別の建物まで100メートルほども歩いて往復したりという、今思えばとても非効率こともしていました。一方アメリカの会社では、同じような研究所でも、補助職まで含めて原則ひとり1台電話がありました。そもそもオフィスのシステムが違う(ひとりずつ区切られたスペースがある)ということもありますが、同じ建物内の同じフロア(そもそも平屋だったりしますが)の同僚と話すのさえ、内線電話を使う人が多かったのです(だから肥満が増えるとかそういうのは別の話)。さらに、留守電機能を使い倒していました。何か作業していたり、F2Fで誰かと話してるときに電話が鳴っても出ないという選択肢もありでした。その場合、相手は要件をボイスメッセージに残してくれるので、後で聞いて返事をすればいいからです。自分がコールバックした際に相手が出なくても、同様にボイスメッセージで残します。相手も後で聞くという形で、電子メールが普及する前から、留守電機能を電子メールのような形で使っていたのです。このように、もともと顔を見ないコミュニケーションにも慣れているという背景、そしてどういう状況であれしゃべることが苦ではないというか、むしろ好きな人の割合が高いという文化的背景(?)などにより、電話会議が抵抗なく普及していったのではないかと思います。その後、使いたければビデオも使えるようになりましたし、一時広がりかけたような気もしますが、結局大したメリットはないことがわかり、音声プラス画面共有という形のオンラインミーティングが進化したように思います。もともと留守電メッセージを入れるのもためらう人が多い電話文化の日本で、声だけの会議はなじみにくいのかも知れませんが、やりだせば意外とすぐに慣れると思います。オンライン飲み会ならばもちろんお互いの顔を見ながらの方が楽しいと思いますが、仕事のミーティングでは、資料画面共有の方がはるかに重要だと思います。
投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2020年4月14日(火) 07:58- 参照(112)
- オリジナルを読む