コヨーテ・ビュート(The waveも含む)に関する情報を後学のためにまとめておく。
もし、ここに行こう考えている人がこの情報を見れば大概のことが分かるように…。
集約サイト
コヨーテ・ビュート(The waveも含む)に関する情報ソースは、The Wave Infoに集約されている(英語)。このサイトは非常に有益な情報が集まっていて、コヨーテ・ビュートに行くことを考えている人は必見。多種多様な情報が掲載されているが、主に次のような情報がある(2016年4月現在)。
- コヨーテ・ビュート及びその周辺に関する雑多な情報
- 許可証抽選サイトへのリンク
- コヨーテ・ビュート周辺の道路状況
- 日の出、日の入りの時刻
- WirePassトレイルヘッドからThe Waveまでの歩き方(動画による解説)
- コヨーテ・ビュートのビューポイントの緯度・経度
- 各種写真
- The Wave周辺に残る恐竜の足跡化石などの場所
許可証
The waveやコヨーテビュートサウスを歩くには許可証が必要。許可証は発行数は、一日あたり、コヨーテ・ビュート・ノースに20人分、コヨーテ・ビュート・サウスに20人分と厳しく制限されている。希望者が多数の場合(ほぼ毎日抽選になっているのだが)抽選で選ばれる。抽選はインターネットによる事前抽選、または、Walk-inによる抽選の2通りがある。インターネット事前抽選で10名分、Walk-inで10名分を発行する。抽選が狭き門なのは間違いない。
また、せっかく許可証を得ても、悪天候により、当日に現地に行けないこともある。この場合、残念ながら救済措置はない(日を変更したりできない)。
インターネット抽選
The Wave、及び、コヨーテビュートサウスのインターネット抽選は、こちらのサイトから申し込める(英語)。
インターネット抽選は、抽選の当否に関係なく、申し込み料金が$5かかる。
グループで申し込む場合、1グループの上限は6人まで。ペットを連れて行くこともでるが、一匹は一人とカウント。
申し込みは、今日現在の月から、4ヶ月先の月のなかからいずれか3日を指定でき、抽選が行われるのは翌月1日。例えば、今日が4月19日とすると、今日、インターネットで受付られているのは、8月1日~31日分の許可証(その中から3つの候補日を選択)で、抽選が行われるのは5月1日。
現在の抽選倍率もこのサイトから確認できるが、今日現在、一番人気なのは、8月20日(土)で、 702 人が応募(当選するのは10人のみ)。
Walk-Inでの抽選
毎日、Kanabのビジターセンターで朝9時からThe Waveの翌日分の許可証の抽選が行われる。
Kanabはユタ州なので、時間に注意すること(ラスベガスやペイジといった近隣の街とタイムゾーンが異なる)
抽選参加希望者は、ビジターセンターに午前8時半から9時の間に行き、申し込み用紙に必要事項を記入して抽選会に参加する。抽選参加自体は無料。
インターネット抽選同様に、許可証の発行数は翌日の10名分のみ。グループ参加の場合、グループは6人以下である必要がある。
仮に、6人のグループで参加して、第1回目の抽選でそのグループが当たれば、6人全員に許可証が発行される。もし、既に8人が当選していて、その次の抽選で6人組のグループが当選した場合、そのグループは、6人のうちから2名を選出するか、または、全員が行かないという選択をしなくてはならない。
トレイルヘッド
The WaveのトレイルヘッドはWire Pass、コヨーテ・ビュート・サウスのトレイルヘッドは、Paw HoleとCottonwood Coveの2箇所
。
Paw HoleとCottonwood Coveへ行くには四駆が必須。
二駆の場合、Paw Holeの2.5マイル手前のLone Treeに車を停めて、そこからPaw Holeまで歩く必要あり。
上記のどのトレイルヘッドに行くにも、未舗装路のHouse Rock Valley Roadからアクセスし、降雨直後などは、House Rock Valley Roadが通行不可になる可能性がある。
House Rock Valley Road
The WaveのトレイルヘッドであるWire Passや、コヨーテ・ビュート・サウスのトレイルヘッドであるPaw Holeまで行くには、未舗装路のHouse Rock Valley Roadをドライブする必要がある。
この道は、雨が降ると通行できなくなる。道路状況は、Kanabのビジターセンターで知ることができるので、行く前に立ち寄るのことをお勧めする。
Kanabのビジターセンターは、その日にWire Passに行くのに必要な車を掲示している。
選択肢は、「車高の高い2WD」、「車高の高い4WD」、「どの車でも行けない」の3種類。
※Kanabのビジターセンターには何度も電話したが、一度も繋がらなかった。毎回ボイスメールになるだけで、メッセージ残したがCall Backはなし…。情報を得るには、足を運ぶしかないのかも知れません。
この道は、細かい土が固まったような道路で、雨がふるとぬかるみ、深いわだちが出来やすい。また、途中、何度か、乾いた川を渡る箇所があり、そういう箇所は道路がくぼんでいて砂が溜まっている。
僕はカローラクラスの車で行ったが、極めて慎重に運転した。正直、コレ本当に行けるのか?と思った箇所も何度かある。
ちなみに、道路自体が危険という訳ではない(例えば、片側が崖で運転誤ったら死に直結するとかいうことはない)が、脱輪して動けなくなる可能性は十分にある。
Kanabのビジターセンターとレンジャー
Kanabのビジターセンターには、この周辺の見所に関する情報が集まっているので是非立ち寄ると良い。レベルに応じたトレイル情報やそこへの行き方、周辺地図なども手に入る。ガイドブックや土産物も売られているし、この周辺の成り立ちを説明した展示物もある。
ここに勤務するレンジャーも親切丁寧なのは言うまでもない。が、ひとつ気になったことがあるので一応記しておく。
杞憂だとは思うのだが、コヨーテ・ビュート・サウスの情報は、レンジャーは積極的に出してこないでいるように思えた。
例えば、"The Wave"の9時の抽選が終わったら、抽選が外れた人に対して、「このあと10時からコヨーテ・ビュート・サウスの抽選がありますよ」くらい言っても良さそうに思えたが、そういうことは一切言わない。
The Waveの抽選については、何時からドコで抽選があると掲示されていたが、コヨーテ・ビュート・サウスについては無かったように記憶している。レンジャーに聞いたら、10時から抽選があると教えてくれたが、レンジャーから積極的に情報発信はしていないように感じた。
多分、コヨーテビュートサウスがThe Waveのように超有名スポットになるのを避けるためにあえて触れずにいる…なんていうことがあるのかもと思ったり。もちろん、こちらがそれを聞けば教えてくれるけど、こちらから聞かないと何も分からない。
コヨーテビュートサウスの抽選に当たり、許可証を発行してもらう場で、年配女性二人組が、「私たちはGPSがないのだけれど、大丈夫だろうか?」とレンジャーに聞いていた。レンジャーは、西に見える崖が目印になると言っていた。確かに、その通りではあるものの、ルートファインディングに長けたオフトレイルに慣れた人ならまだしも、一般のハイカーが簡単にトレイルヘッドに戻れるようなものでもない。レンジャーにしてみれば、いちいち質問者のスキルレベルを考慮して回答できる訳もないし、また、質問者に、「あなたは経験不足だから、ここには行けない」みたいなことも言えないのだろう。
後日談ながら、その年配女性二人組は、4WDでPaw Holeまで行ったが、トレッキングはせずにそこで引き返したのだそう。なぜそのことを知ったかというと、たまたま、その場に、僕を迎えにきてくれたロバートがPaw Holeにて彼女らに出くわして話したから。ロバートは抽選で当たってここまで来たのだから、少しその辺を歩けばと薦めたそうだが、彼女らは、帰りに車がスタックするのを恐れて明るいうちに帰ると言ったそうだ。彼女らにしてみれば、4WDでなんとかトレイルヘッドまで来たが、道すがら、本当にたどり着けるのか心配で、もうトレイルなんて気分では無くなってしまったのだろう。
そのような人に、許可証を無駄に発行することは防げないのかと一瞬思ったが、レンジャーにしてみれば、それで良かったのかもと思う気にもなった。なぜなら、自然保護の観点からすれば、人が入らない方が良いから。
コヨーテ・ビュート・サウスの見所
コヨーテ・ビュート・サウスの見所は、Paw Hole周辺のビュート群と、Cottonwood Cove付近にある、"Control Tower"と呼ばれるビュートと"Half and Half"と呼ばれる二色の岩と思われる。
Control TowerやHalf and HalfのGPS位置情報は、The Wave Infoで見つけられる。大体の位置は次の地図にあるとおり(地図にあるアイコンがそれ)。
残念ながら、僕はこの両者のすぐ近くまで行っていながら、引き返してしまった(これらの位置情報は帰宅後に知った)。
ところで、コヨーテビュートサウスを歩くと、ところどころに有刺鉄線が張られているのを目にする。当初、それが公園の境界かと思ったが、現地であった3回この地を訪れたことのあるロバート曰く、これは放牧している牛を囲うためのもので、コヨーテビュートサウスのエリアとは関係がないから、うまく通り抜けてしまって構わないとのこと(真相不明だが、多分そうだと思われる)。
コヨーテビュートサウス一帯は、低木がところどころに茂る高原で、見通しは悪くないし、視界をさえぎるようなものもない。方角も遠くの山を見ることで分かる。だから、トレイルヘッドに戻るにも大よその方向は検討がつく。が、GPSがあるとより正確な情報が得られる。
GPS
必須ではないものの、このエリアをトレッキングするならGPSがあると便利。
と言っても、トレッキング用のGPS端末などは不要かと。僕は、日頃使っているアンドロイド携帯に"Geo Tracker"なるフリーアプリを入れたのを持って行った。
はじめは、使い慣れたGoogle Mapを用いて、時折、自分が歩いた地点を記録(Google Mapに星印をつけておく機能)しておけば良いと思っていた(ちなみに、事前に自分が歩くエリアのマップをキャッシュしておいた)。ところが、現地に行って分かったことは、この星印を付ける機能はネットワークに繋がっていないと使えないことが判明。
幸い、Geo Trackerがあったのでそれを利用。Geo Trackerは地図情報はネットに繋がっていないと取得できないようで、地図は出なかったが、スタート地点と現在地点、その経路が分かるので充分。
念のため、予備バッテリーも持っていったが、エアプレーンモードにして使用したからか、バッテリーはほとんど減らず、終日このアプリを使えた(エアプレーンモードにすると、Wifiやデータ通信は使えないが、GPSを利用した現在位置は知ることができる)。
ガイド
Kanabには、有料で、The Waveやコヨーテ・ビュート・サウスを案内するガイドがいる。
ガイドを雇えば、効率よく見所を回れるし、慣れない悪路を自分で運転する必要もない。なので、効率よく見て回りたい人にはガイドを雇うのもお勧めかと思われる。
ちなみに、ガイドは許可証なしで現地に入れる。なので、ガイドを雇いたい人は、許可証を入手してからガイドにコンタクトを取ればよい(最少遂行人数に満たない場合があるので、Walk-inで翌日分許可証を得た場合などは電話連絡するのが望ましい様子)。Kanabのビジターセンターでもガイドを紹介しているとのこと。
正直、自分はガイドを雇わなかったので、本当に有益かどうかは判断できないものの、コヨーテ・ビュート・サウスを歩いた際に、どこをどう歩いたら良いか分からずに時間を無駄にしたのは否定できない。なので、効率よく見て歩きたい人はガイドのツアーに参加するのがベターと思われる。
ただ、ガイドは高額で、最少遂行人数も規定されている。もし、ガイドを雇いたいがお金が無くて無理…という人は、僕が歩いた行程を上の地図からダウンロードして、GPSに入れおくと有益かと。少なくともPaw HoleからCottonwood Cove付近まではスムースに行けるはず。ちなみに、上の地図で青線が二本あるのは往復したからで、平行してあるところは右側(東側)のルートが最適。
追記:
先日、KanabにあるDreadland Safari Toursという会社に、彼らのSouth Coyote Buttesツアーのコースを聞いてみたところ次のような回答をいただいた。まず、車でCottonwood Coveに行き、その一帯を散策。そして、車に乗って、Paw Holeへ移動してその一帯を散策。
White Pocket
コヨーテ・ビュート・サウスの東側に、ホワイト・ポケットという名が付けられたエリアがある。ここは、粘着性の高いペンキが混ざり合ったような色彩を帯びた岩が広がるエリア。
(wikipediaの写真より)
ここは許可証なく行けるものの4WDが必要。場所はここ。
Kanab
Kanabの街は極めて小さく、街自体にこれといって見所らしきものはない。
レストランも、メキシカンやハンバーガーなど大した店はないが、中華が一軒あった(行っていないが)。大型スーパーマーケットは2店あり、そのうちひとつGlazier's Food Townではビールや酒が買える(もう一方のHoneyとかいう店には酒類は置いていない)。
自分が利用したレストランは、Nedra's Too(メキシカン)、Subway、Rocking V Cafe。
Rocking V CafeはKanabではお洒落っぽさを感じる店だが、値段もそれ相応に高い。
スポーツ用品店はWillow Canyon Outdoorという店が市内にある。小さなアウトドアショップで、品数は多くないが、最低限必要なものは揃いそうな雰囲気。キャンプ用のガスタンクはここで購入した。
- 参照(356)
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