この記事は、Sleep Study (その1)の続きです。
2月26日(金)、Sleep Studyのために、再びRedwood CityのStanford病院を訪れました
今回は、お泊りです。お泊り、なんと魅惑的な言葉でしょう。ワクワクします。
リッツカールトンと見まごうばかりのStanfordの病院です。世界にその名を馳せるStanfordです。今日泊まる部屋もきっと豪華絢爛間違いありません。今宵は柔らかいベッドを一人占有して寝れるのです・・。
ここだけの話、私、数年前から、ぴろ子にベッドを占有されて、それ以降、細々とひとり床に煎餅布団を敷いて寝る日々を送っているのです。ベッドはかみさんとぴろ子が使っています。かみさんがいないときに、ぴろ子の横で寝ようものなら、むくっと起きたぴろ子に「ダディはうるさいからあっち行って~」と言って、ベッドから追い出される始末です。うぅぅ・・・(涙
でも、今日は違います。ふかふかのベッドを一人で占有できるのです。そして、以前受けた説明によれば、就寝時には体にセンサーを付けて寝るのですが、寝る時間は自分で決めて良く、それまでは好きに過ごして良いのだそうです。TVやDVDを見ても、本を読んでも良いのです。静かに心置きなく過ごせる一人の時間が持てるのです。嗚呼、Sleep Studyとはなんて素晴らしいのでしょう。Sleep Study万歳!!
事前に貰っていたレターには、夜6:45pmまでに病院に来るようにと記載されていましたが、ここは時間に余裕を持って、6:30pmにチェックインします。
夜の病院です。日本の夜の病院は不気味さがありますが、ここカリフォルニアのそれもStanfordの病院には、そんな様子は微塵もありません。
この日の晩飯はチェックイン前に済ませました(そうするように指示があった)。
持参するものは、寝巻き、洗面用具、必要であれば本やDVDなどなど。スナック類やドリンクも持ち込んでokだそう。なので、うまい棒少々とジュース類を持って行きました。ワーイワーイ!
持って行くか否かで迷ったのはお酒。迷ったけど、お酒が入るとイビキがいっそうひどくなる恐れがあるので持って行くのは見送りました。ちなみに、後で聞いたのだけど、お酒を持ち込んでも良いのだそうです。
受付でSleep Studyに来た旨を伝えると、簡単なペーパーワークがありました。待合室には、いかにも無呼吸症候群間違いないでしょう!と思えるような太った中年の中国人男性が待っていました。ほどなくして、その人は名前を呼ばれて奥へと連れて行かれました。その後、ガタイの大きな黒人男性も受付にやってきました。
ほどなくして、僕の担当スタッフとなるStevenが僕の名前を呼みあげました。彼に続いて、今夜泊まる部屋へと案内されました。Stevenは僕と同年代かちょっと年上な白人男性で、親切なのですが英語が聞き取りにくいのが難でした。でも、分からないことがあっても聞き直すと丁寧に教えてくれたので問題なしです。
案内された部屋にはシャワーとトイレがあり、テレビや空調も完備です。リッツカールトンとまでは言いませんが、なかなか良い部屋ではありませんか~。
ベッドはリモコンで頭や足の高さを変えられる上、ベッドにはマッサージも付いていました(が、めちゃくちゃうるさかったので使わなかった)。
テーブルの上に電極が並んでいました。今夜はこれをつけて寝るのか。
Stevenは部屋の使い方や非常口の位置を説明すると、いつ僕が寝巻きに着替えるかと聞いて来ました。
と言うのも、寝る前に体にセンサーを装着する必要があるため、寝巻きに着替えたらまずはセンサーをつけてしまおうとのことでした。では、すぐに着替えると伝えると、Stevenは一旦部屋を出ました。僕は着替えを済ませ、ベッドの上に寝転がってTVを見ていると、Stevenが再び部屋にやってきました。そして、僕の体にセンサーをつけるので、椅子に座るように促します。
Stevenは、足、腹、胸、喉とあちこちに数多くのセンサーを貼り付けていきます。
貼り付ける前に、センサーを張る体の部位をアルコール消毒し、そこにメンディングテープで貼り付けていきます。各センサーから出るワイヤーは胸の前にある装置にすべて繋がれます。
頭(頭皮)にも多くのセンサーが付けられました。頭にはテープが使えないので、接着剤を使って頭皮にセンサーを貼り付けます。
レターには、センサー装着に20分程度時間がかかるとありましたが、実際にはその倍くらい時間が掛かったように思えました。
センサーがつけられて、僕はこんな状態に。人造人間にでもなるかのよう。
あまりにも醜いので写真はありませんが、頭にもたくさんセンサーがついています。
足にもセンサーがつけられました。
体中に付けられた無数のセンサーは、腹の前に付けられたボックスにケーブルで繋がれています。そして、そのボックスとベッド脇にあるマシンを太めのケーブルで結ぶのだそうです。
センサーが体中に付けられて、違和感ありまくりです。体を動かすとテープやワイヤーが突っ張ります。動きやすいようにワイヤーにたるみを持たせますが、たるませすぎると何かに引っかかったりして厄介です。
Stevenは、「このあと、ちょっとしたらセンサーのテストをするけれど、それまで自由にしていて良いよ」と言って部屋を出て行きました。自由にするといってもセンサーのお陰であまり動きたくありません。仕方ないので、ベッドで横になり、YouTubeでも見ていました。
ほどなくして、再びStevenが部屋にやってきて、センサーがちゃんと情報収集できるかテストをするのでベッドに横になるように言いました。僕がベッドに横になると、Stevenは、腹の前に取り付けられたボックスとベッド脇のマシンをケーブルでつなぎます。
そして、僕の鼻と口にもセンサーを付けます。
鼻には、小さな鼻輪のようなものを取り付け、そこに鼻の呼吸を感知できるセンサーを付けます。
口には、口の前に呼吸を感知できるセンサーを付けます。
これらがまた違和感ありまくりです。口のセンサーは軽く唇に触れているし、鼻輪もなんだか変な感じ。お洒落で鼻輪する人の感覚が分かりません。
その後、Stevenは部屋を出て、コントロール室へ行きました。僕のいる部屋には天井にカメラが取り付けられており、僕の様子はコントロール室から丸見えなのです。また、この部屋にはマイクとスピーカーが設置されていて、コントロール室にいるStevenの指令を僕は受けなくてはなりません。僕が話す声もコントロール室で聞こえるのです。
テストが始まりました。
Stevenは、僕にいろいろな指令を出します。
「右足を、車のアクセルペダルを踏むように前後に動かしてみて」
「左足を、車のアクセルペダルを踏むように前後に動かしてみて」
「顔を動かさずに、目だけを右、左に動かして」
「顔を動かさずに、目だけを上、下に動かして」
「鼻から息を吸って、鼻から吐いて」
「鼻から息を吸って、口から吐いて」
「口から息を吸って、口から吐いて」
「口から息を吸って、鼻から吐いて」
... etc
ひとつひとつの動作に結構な時間をかけています。この息のチェックをしているうちに、僕は眠気を感じました。まだ9時前なのに・・・。今夜は自分ひとりの時間を楽しむのだ~と思っていたのに、このまま寝てしまいそう・・。
一連のテストが終わったあと、Stevenが再び部屋にやってきました。センサーテストが完了したことを伝え、一旦ケーブルをベッド脇のマシンから抜いてくれました。このあとは、僕は自由に行動して良いそうです。寝る前に、部屋にあるボタンを押してスタッフを呼び、スタッフにケーブルをマシンにつないでもらう必要があると言われました。
自由行動とは言ってもセンサーのため行動は制限されているので、インターネットくらいしか出来ることがありません。1時間程度見たところで、飽きてきたのでもう寝ることにして、スタッフを呼びました。時間は10:30pmでした。
Stevenがやってたので、ケーブルをつないでもらって就寝です。
念のため、夜、喉が渇いたときのために枕元に水を置いておいたのですが、口にもセンサーがあるため飲むことはできません。ちなみに、夜中にトイレなどに行きたくなった場合には、スタッフを呼び出してケーブルを外してもらう必要があります。
また、朝起きたときもスタッフを呼んでケーブルを外してもらいます。
当初は、部屋にチェックインしたら、あとは自由に過ごし、寝る前にセンサーつけて寝るだけかと思っていたのですが、準備やらテストやらで意外と大変で、思っていたほど楽ではありませんでした。
センサーの違和感から、なかなか寝付けないかと心配していましたが、意外にもあっさり寝れました。
普段、あまり夢をみない僕ですが、この日はいろいろな夢を見ました。
その夢のひとつに、自分がこのSleep Studyを受けている夢がありました。僕は、夢の中で、Sleep Studyを受けており、体中にセンサーをつけてベッドに横になっています。何か理由があってベッドから降りて部屋の隅まで歩いていこうとするところで、ふと疑問に思います。「今、ケーブルは繋がっているのだっけ?」
ケーブルが繋がっているなら、スタッフを呼ばなくちゃ・・
でも待てよ・・。これって夢なのかな。現実なんじゃないかな。
夢の中で、これが夢か現実か分からなくなってしまうようなそんな夢でした。
その他にも、会社の同僚とスキーに行った夢やら、東山魁夷の幻想的な風景の中をハイキングしている夢など・・。普段そんなに夢を見ないのにこの日はいろいろと見ました。
午前5時前にトイレに行きたくなったので、スタッフ(Stevenではなく、Johnというスタッフがやってきました)を呼びケーブルを抜いてもらいトイレに。そして、またケーブルをつけてもらい就寝。
もう寝れないかなと思いきや、そんなことはなく、再び寝て、午前7時過ぎにスタッフを呼んで起きました。
やってきたJohnは、僕の体についたセンサーを剥がし、すべて剥がし終わると、あとは着替えて帰宅して良いと言います。それとアンケート用紙を渡され、これに記入して部屋においておくように言われました。
僕は、頭皮のノリを洗い流したかったので、まずはシャワーをして、アンケートに記入して帰宅しました。
アンケートの内容は、「昨晩はいつものように寝られましたか?」「睡眠に落ちるまでにどのくらい時間がかかりましたか?」といったごく簡単な設問が並んでいましたが、ひとつ、「昨晩見た夢をできるだけ詳細に記載してください」というのもあったので、夢の内容を記しました。
自分としては、センサーの違和感はあれど、いつもと変わらないように寝られたと思ってそうアンケートに答えたのです。ところで、後ほど、ふと思ったのですが、いつもより多くの夢を見たということは、眠りが浅かったということですよね。自分はぐっすり充分に寝れたと思っていたのですが、実は眠りは浅かったのかな・・と。事実、その日の昼過ぎ、ぴろ子の昼寝に付き合って、自分も昼寝してしまいました。
さてさて、こんな感じでSleep Studyは終了です。
今回のSleep Studyの結果は1ヵ月後くらいに郵送で送られてくるそうです。またfollow-upのアポイントメントも1ヶ月先に入れました。
ちなみに、このSleep Studyの結果によって、次のいずれかの治療がされるそうです。
- 治療の必要なし
- 就寝時にマウスピースを使う
- 就寝時にマスクをつけ強制的に空気を送り込む
- 外科的手術で気道を広げる
その他、このSleep Studyに関する豆知識をまとめておきます。
- 僕が行ったStanfordの病院には、Sleep Study用の宿泊できる部屋は14部屋あるとのこと
- 一週間のウチ、土曜日はSleep Studyはないが、他6日間はSleep Studyを行っている
- Stevenに、お酒を持って行っても良いのか聞いてみたら、問題なしとのことでした
- 当然ながらタバコはダメです
- これは僕が寝る前にStevenに言われたのだけど、被験者が眠りについてから、あまりに酷いSleep Disorderの症状が見られるようであれば、その日のウチにマスクを使って空気を強制的に送り込むといった処置を試みるそうです(就寝後2時間もあればそれが分かるそう)。少なくとも僕はそれはされませんでした。
- Sleep Studyの予約をした際、Sleep Studyに保険が利くかどうかは、病院側で調べてくれると言われました(念のため書いておくと、公式には、保険が利くかどうかは被験者が責任を持って調べるようにと書面に記載されていました)。もし、保険が利かないようであれば、病院が連絡してくれるので、自腹で費用負担するか、もしくは、自宅で出来るタイプの簡易版Sleep Studyに変更することも可能とのことでした。
ぴろりんさんは、特に問題ありませんでした・・と言われますように。
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