先日書いたぴろ子のプリスクール選定記事の中で日本語プリスクールの話に触れましたが、その日本語プリスクールの入園試験の話でも。

今のうちに「あいうえお」くらいは読んで書けるようになってもらおうと、ぴろ子を日本語教育のしっかりしたプリスクールに入れようと決めたのですが、そのプリスクールは入園試験がありました。幼稚園から入園試験ですか..。東京の私立幼稚園にお受験があるのは聞いていたザマスが、まさかウチの子が入園試験を受けることになるとは夢にも思いませんでした。

そうこうしていうちに、その面接試験当日を迎えます。今思えば、多少なりとも日本語プリスクール面接試験に向けて何かしら練習をしておくべきだったんでしょうけれど、例によってバタバタしている間に当日になってしまっていたぴろ子一家でございます。更に、その当日がこれまたとっても慌しい日になってしまいました。

ぴろ子の面接は、週末の昼過ぎ、12時半から予定されていました。

その日の午前中、かみさんは歯医者のアポを入れていました。また、我が家では、以前からクローゼットをカスタムメイドしてもらおうと、カスタムメイドの家具屋にコンタクトをとっておりまして、とある家具屋のデザイナーがこの日の午前10時にやってくることになっていました。デザイナーが要する時間は1時間程度と聞いていたので、ぴろ子の入園試験には影響ないと考えていました。

当日、かみさんは朝9時過ぎに歯医者へ出発。

僕はぴろ子に朝飯を食べさせて、家具のデザイナーを待ちます。
家具屋がやってきたのは予定時刻を過ぎた10時半頃。同年代くらいの白人女性でして、なかなか洗練された人だなぁという印象を受けました。早速、どんなクローゼットが欲しいのか、その用途などを伝え、彼女のアイデアも聞きながら、なんとなくこんな感じかなぁというイメージが出来たところで、彼女はテーブルに座って早速デザインをはじめました。あらら、訪問は1時間程度とのことだったから、デザインは持ち帰りかと思っていたのだけれど、ここで描くの?

しかも、そのデザイン、このご時勢に手書きなのです。先日やってきた別な家具屋のデザイナーはラップトップを持って来て、鳥瞰図やら3Dのイメージなんてのも見せてくれたのに、あなたのところは手書きなの?それも定規も使わずにフリーライティング。

当然ながら11時を過ぎても回ってもデザインは終わらず。

その感、ずうっと一人でほったらかしのぴろ子もだんだん飽きてきて、僕やそのデザイナーにいろいろちょっかい出し始めますが、「ちょっと、そっちで遊んでいなさい」と相手にされず。

こちらも、このあとに大切な予定があるから、区切りの良いところで引き上げてくれとデザイナーに伝えますが、デザイナーは「もうすぐ終わるから」の一点張り。結局、11時半になってもまだデザインしている状況。やっとデザインが出来上がると、そのデザインがどういうものなのか説明をはじめるのですが、手短にとお願いしたけれど、全然短くない~。

そうこうしているうちに、時間は正午近くになって、かみさんが歯医者から帰宅。かみさんも思ったよりも歯医者が長くかかってしまって急いで帰宅したのだけれど、まだデザイナーがウチにいることに驚いた様子。このあと娘の入試試験があるから、今日は引き取ってくれと言うも、デザイナーは、「ちょっとだけデザインの説明をあなたにもさせて」と食い下がり、とうとうと説明をはじめる始末…。もう家を出なくちゃ~と何度もいうけど、あとちょっとだけ、ちょっとだけと言いながら、悪びれる様子もなく延々と説明を続けるデザイナー。

結局、デザイナーの話を半分聞きながら出かける準備をして、デザイナーと一緒に家を出て、急いで車に乗って面接会場へ向かいました。かわいそうなのはぴろ子。午前、ずっと一人で遊ばされていた上、お昼ご飯も食べずに面接です。本当は、面接会場へ向かう途中で電話予約していた寿司をピックアップして、車中で食べさせようとしていたのですが、お店に寄る時間もなくなってしまい、面接会場へ直行する羽目になりました(ちなみに、寿司は面接終了後にピックアップしました)。

面接会場に向かう車中、少しでもぴろ子のお腹を満たそうと、かみさんがぴろ子に魚の形をしたお菓子「おっとっと」を与えていました。ぴろ子は午前中、ひとりでほったらかしにされていたためか、多少機嫌が悪い様子。かみさんは、ぴろ子の機嫌を直そうと、「これはイカさん、こっちはマンボウさん」などと言いながら、ぴろ子にお菓子をあげていました。

幸い、ぴろ子の機嫌も直った感じで、ぐずることなく面接会場に到着。ふぅ、助かった~。機嫌悪くて泣き出したりしたらどうしようとちょっとヒヤヒヤでした。
プリスクール到着後、先生方に挨拶して、すぐに面接となりました。面接は、ぴろ子、かみさん、私の3人が子供用の小さなテーブルに座り、反対側にひとりの先生が着席。先生がぴろ子にいろいろと質問して、ぴろ子がそれに答える形ではじまりました。

 先生 「お名前は何ですか?」

 ぴろ子 「ぴろ子」(と蚊の鳴くような小さな声で返事)

ぴろ子も多少緊張している様子。無理もないです。

 先生 「お母さんの名前は何ですか?」

 ぴろ子 (自信を持って)「マミー」

親の名前、教えたことなかったのでこれは仕方ないっす。
お父さんの名前も聞かれましたが、「ダディー」と答えてました。

 先生 「ぴろ子ちゃんの好きな食べ物は何かな?」

ぴろ子、少し考えてから、大きな声で・・

「マンボウ!!」

ブブッ

おいおい、マンボウなんて食べたことないだろっ!と内心突っ込むと同時に、ぴろ子がそう答えた理由もすぐに分かりました。車中で食べたおっとっとです。かみさんと、マンボウのおっとっとで遊んでいたんだった。「マンボウさん美味しいですか~」とか言いながら。いやぁ、事情を知っている我々には面白いけど、先生は訳が分からんだろうなといます。

当然、先生も、目をきょとんとさせてましたが、しばらくして、先生が悟ったかのように言いました。

  先生 「あぁ、

マンゴー

ですね。マンゴー美味しいですよね!」

ププッ! 素晴らしいっ! あなたいい先生に違いないっ!

噴出してしまってごめんなさい。でも、すごく面白いやりとりだったんですよ~。

ぴろ子は、その後もいろいろと質問されていましたが、そつなく上手に答えていました。

その後、モノを使ったテストに移りました。先生が、赤や緑の異なる色の、サイコロのような立方体を5個だしてきて、「これは何色ですか?」と色を聞いてきました(これもちゃんと答えていた)。

次に、先生がそのサイコロをすべて積み上げて、「一番上は何色ですか?」「一番下は何色ですか?」「真ん中は何色ですか?」と質問されていました。ぴろ子は真ん中という言葉をまだ知らないので、それは回答できなかったが、一番上と下は答えていた。

また、先生はペンと紙を出してきて、紙にかかれた丸や線をなぞってみてと言われました。今まで、そういうことをやらせたことがなかったので、こりゃ無理だなと内心思ったんですが、ぴろ子、ちゃんと出来ていてびっくり。そういえば、通っていたデイケアでアルファベットや数字の書き取りをやらされていたのを思い出しました(点線をなぞって練習する)。

他に、あいうえお表が出されて、ひらがなを読んでみてと質問されていました。が、これは全くダメ。

と、こんな感じで試験は進みました。

どうやら、試験で見られるのは、ちゃんと先生の話を聞いて日本語である程度の会話ができるかがチェックされているとのこと。

試験が終わってからは、このプリスクールの施設を見学し、教育方針などを聞きました。ぴろ子はその間、プリスクールの玩具で遊んでいました。

いろいろとありましたが、結果、ぴろ子、入園を許可されました。良かった~。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2014年8月6日(水) 18:20