アメリカはレイバーデイ3連休でしたが、みなさまいかがお過ごしでしたか?

僕は家族・友人と、どこかの湖畔か水辺にキャンプにでも行こうかとしていたのですが、いつものごとく、直前まで特に動いていなかったため、主だったキャンプ場はすでに満員御礼。それじゃ、またアワビダイビングでもとも思ったんですが、結局、温泉キャンプに行くことになりまして。

行った先はMercey Hot Springs。5号線近くにある温泉で、宿泊施設とキャンプサイトが併設され、Foster Cityからだと2時間ちょいで行けるお手軽さと、連休直前でもまだキャンプサイトに空きがあったのが決め手となりました。

ここは以前にも一度行ったことがあるんですが(前回の訪問記録はこちら)、泉質がとってもgoodです。お湯は無色透明の硫黄泉で、温泉好き日本人でも十分満足できるくらいの硫黄臭があります。

Mercey温泉があるのは、砂漠のド真ん中の極めて辺鄙な場所。周りには何もなく、ただ殺伐とした荒地が広がります。温泉施設というよりは、強制収容所か何かじゃないかと思えるような場所。

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到着後、オフィスにて受付を済ませます。この日干しレンガづくりの風情ある建物、少なくとも1920年当時から存在していたようです(Mercey Hot SpringsのWebサイトにある過去の様子を見ると分かる)。もともとこの温泉は、ネイティブアメリカンによってその存在が知られていて、それが白人入植者に売られて現在に至っているそうです(本当に転売されたのか、それとも単に奪われただけなのか・・)。

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キャンプは一人 $35 かかります。一人$35というと高く感じると思いますが、この料金には温泉施設使用料も含んでいます。ちなみに、日帰りで午後8時以降に温泉施設を使用する場合の料金は一人$35なので、実質、キャンプ場使用量はフリーみたいなものです。

ただ、キャンプ施設は極めて質素で、各サイトにピクニックテーブルと、水道が付いているだけです(この水道も温泉)。ファイヤーリングはありません(山火事防止のためにキャンプファイヤーは冬しか許されていない様子)。BBQはOKですが、BBQコンロを持っていくか、または共有のBBQグリルを使用する必要があります。

我々のキャンプサイトはこんな感じ。うっそうと茂った針葉樹の下がアサインされたキャンプサイト。頭上でブーンブーンと音がして、どうやら蜂があわただしく飛び回っている様子で、ちょっと怖い・・・。結局、なにも問題はありませんでしたが。

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さてさて、肝心の温泉施設です。

アメリカの温泉ですから、例によって温泉のプールがあります。アメリカで温泉っていうと、こういうプールがあるだけの施設が多いですよね。プールの水も硫黄泉を使っているかと思うんですが、硫黄分それほど強くない感じで、全くもって普通のプールです。水も温かくて快適。

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でも、Merceyが他の温泉と違うのは、こちら。プール脇に、一人用のバスタブが並びます。

それぞれのバスタブに、温水と冷水の蛇口がついていて、自分でお湯を張って温泉を楽しめるようになっています。カラフルなパラソルがなんとなくリゾート気分を演出してくれます。

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バスタブからの景色はこんな感じ。このお湯は本当に日本の温泉のようでして、日本人にも満足できるほどの泉質だと思います。いやぁ、極楽極楽。

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この一人用バスタブとプールエリアは、レンガ作りになっていて、小洒落た雰囲気を演出してくれています。プールサイドにはビーチベッドも並んでいてリラックスできます。プールはそれほど大きくないものの、最深部で、2.4mもの深さがあるので注意が必要です。

言わずもがなですが、このプールエリアとその横にあるバスタブを使用する場合には水着必着です。

せっかくの温泉なのだから、カラダをすべての束縛から解き放ち、身も心もリラックスさせたいというあなた! はい、Mercey温泉には、そういう施設もあります。

まずは内湯。屋内にある個室のバスタブで、一時間 $15 で使えるそうです(僕は使用せず)

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そして、水着着用がオプショナルな屋外バスタブ。こちらは、先に紹介したプール脇のバスタブが並んでいるのと同じようなつくりですが、四方が壁に覆われて外から中が見えないようになっています。僕はこちらを利用していないので、実際どのくらいの利用者がいるのか、どのくらいの人がベビースーツで入浴しているのか分かりません(この写真は、温泉施設使用OKとなる午前8時前に撮影したものです)。

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私たちはMercey温泉到着後、早速テントを張って、プールへと出かけます。
この日はとても気温が高かったので、プールがとっても気持ちイイ!水から出ても全く寒く感じません。

ぴろ子もプールに大はしゃぎで、長いことプールとその隣の温泉を行ったり来たりしていました。

楽しいときの時間の流れは速いもので、気が付けば午後7時を回っていました。あわててシャワーを浴び、着替えて、夕飯の準備に取り掛かります。キャンプ場にあるプロパンガス使用のBBQグリルを使うことを考えていたのですが、5家族のキャンプグループがBBQグリルを使っていたため、持参したチャコールのグリルを使うことに。でも、火をおこしているうちにプロパングリルが空いたので、両方でBBQをはじめます。

肉を焼き始めるや、あっという間に日が落ちて、食べ始まった頃にはあたり一面暗闇となってしまいました・・・
ピクニックテーブルの上に置いたライトには虫が寄ってくるし、先に食事を終えた遊び疲れたぴろ子はぐずり出すし。次回はもっと簡単に食事を済ませられるようにするのが課題です。

ちなみに、我々のキャンプサイトにあったピクニックテーブルは、木々に覆われて薄暗い上、赤アリがたかっていたので、そこを使用するのはやめて、広場にあるピクニックテーブルを使うことにしました。こちらは、どうやらRV用のキャンプサイトなのですが、空いていたら使っていいよと言われたので、遠慮なく使わせてもらいました(次の写真は昼間撮影したものでところどころに、ピクニックテーブルがありますがそれらがキャンプサイトになっています)。

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キャンプファイヤーができないというのは寂しくもありますが、この日はめちゃくちゃ暑くて、キャンプファイヤーどころじゃありませんでした。テントも外気を取り入れられるところはすべて開けて寝たんですが、テントの中で、何も掛けずにTシャツにパンツ一丁で横になっていても暑いくらい。結局、明け方にようやく涼しくなったんですが、持って行った寝袋は結局、枕代わりに使われただけでした(前回のメンドシーノキャンプで薄手の寝袋を持って行ったら寒かったので、今回は羽毛の寝袋を持っていったのに、全く必要なしでした・・)。

テントから眺めた翌朝の風景はこんなんでした。結局、折りたたみ椅子も物干しとして使われただけでした・・
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翌日、日曜日はずっとプール三昧となりました。

ぴろ子は、ずーっと、フローティングギアをつけるのを嫌がって、抱っこされながら水に入っていたんですが(それでいながら一人で泳ぐ!と張り切って、一人で水に入ろうとするので、ひやひやでした・・ 一度怖い思いをさせないと水の怖さが分からない!?)日曜日には同じ年頃の子供たちがフローティングギアをつけているのを見て、ようやくフローティングギアをつけてくれました。そして、その使い方もわかってきたようで、一人でぷかぷか浮いていられるようになりました。

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日曜日は、サウスベイからやってきた日帰り日本人家族グループも温泉を楽しんでいました。サウスベイからだと2時間かからずに来れるのでしょうね。

と、いう訳で、Mercey温泉、お勧めです!
(レイバーデイ3連休ながらも、事情があって1泊2日のキャンプでした)

自分の主観で言わせてもらうと、泉質はシカモア温泉と同程度な感じがします(シカモアも日本人も十分満足できる泉質かと)。今まで自分がアメリカで入った温泉の中では、シャスタ界隈のStewart Mineral Springsがもっとも泉質が強かったですが(強すぎて皮膚が荒れた友人がいるほど)、なかなか温泉を身近に楽しめないベイエリアで、日帰り圏内にあるMercey温泉はありがたい存在です。

以下、自分なりのMercey温泉の長所と短所を書き連ねておきます。

  • プール施設と併設されたバスタブは綺麗で雰囲気もあってgood。ここには水洗トイレ、シャワー、サウナも完備され、いずれも綺麗で清潔感があってgood
  • ただ、シャワーも洗面所の水もすべて温泉。ここで歯を磨いても、温泉でうがいをすることになるのは万人ウケしないかも(洗面台には温水・冷水の2つのコックがあるが、冷水コックをひねっても出てくるのは冷めた温泉水なので硫黄臭あり)
  • キャンプサイトの他にコテージもあって宿泊できるのは良いが、食事の施設はないので自炊が原則(現在カフェを建設中の様子)
  • キャンプサイトが非常に空いているのがgood。連休中でも空きキャンプサイト多数あり
  • ただ、スタッフ曰く、Mercey温泉は秋から冬にかけて混雑するとのこと(夏はオフシーズン?暑すぎるからか?)
  • キャンプサイトに水道はあっても飲用ではないので、水は持参する必要あり(オフィスで売っていると思われるが)
  • 受付ではドリンクくらいしか販売されていない
  • 近くに街らしい街もない。もっとも近いと思われるLos Banosの街(そこそこ大きくて各種レストランはじめwalmartもある)まで車で50分かかる
  • 温泉入る以外にこれといったアクティビティもない。フリスビーゴルフの施設があるけれど、やっている人をみたことない。
  • 荒野のど真ん中にあるので、人里はなれたところが好きな人にはうってつけ
  • 常連客の話では、Mercey温泉には時期になるとOwl(フクロウ)が渡ってくるのだそう

Mercey Hot Springs

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2013年9月2日(月) 05:23