シアトルに行ってきました。
飛行機の乗り継ぎでシアトル空港に降りたことはありますが、空港から市内に出るのは初めて。とはいっても日曜日の午後のフライトで行き、月曜の朝から昼過ぎまでミーティングがあって、その後すぐに空港に向かってベイエリアに戻るとんぼ返り出張だったので、行ってきたと言っていいのかどうか微妙ですが・・・。

うちの会社はneglected diseaseと呼ばれるエリアにもかなり力を入れているのですが、その中のひとつについて、去年の夏に前任者からケミストリー担当を引き継ぎました。私が主にケミストリーを担当しているプロジェクトがいくつかあるわけですが、そのうちのひとつということになります。

シアトルといえば、マリナーズとボーイング、そしてマイクロソフトの町というイメージですが、それにともなってというべきか、BMGF (Bill & Melinda Gates Foundation) の本部もあります。BMGFには様々なアクティビティがありますが、マラリアなどを始めとするneglected diseasesの治療薬開発にも注力しています。

件のプロジェクトは、UCSFのSandler Centerが中心となってBMGFのグラントを得て、filarial wormと呼ばれる寄生虫によって引き起こされ、アフリカに蔓延するRiver blindness (日本語では河川盲目症またはオンコセルカ症)およびlymphatic filariasis/elephantiasis (象皮病)の治療薬を開発することを目指しています。

今回は年に1回ほどのレビューで、スポンサーであるBMGFの担当者の前で、うちの会社からは5名、UCSFから3名、ニューヨーク、そしてカメルーンからそれぞれ1名、合計10名のチームメンバーで乗り込み、プログラムの進捗を報告するというけっこう重要なもの。私は15枚ほどのスライドで、ケミストリーのパートのプレゼンを担当しました。

レビューは全体につつがなく終了して一安心ですが、次のマイルストーンに向けて、なかなかチャレンジングなゴールが待っています。営利であれ非営利であれ、この業界に簡単なプロジェクトなど存在しませんが、私たちが得意とする含ホウ素化合物の化学が役に立ちそうな分野があり、それがunmet medical needsであるならなおさら、何とかして貢献したいと思います。

ところでSeattle Tacoma AirportはSea-Tac Airportと呼ばれているらしいですが、各ターミナル間を結ぶ無人トラム内の案内が音声もディスプレイも日英バイリンガルなのに驚き。これってイチロー選手効果で日本からの旅客が増えたためなの?まさかANAがB787のローンチカスタマーになったからってことはないよね?

写真はホテルの部屋から見た明け方の景色です。

投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2012年1月30日(月) 22:40