いつの頃からか、ウチの棚に入っていたスパークリング・ワイン、Tarlant。ピンクの安っぽいラベルだし、誰かが以前のウチでのパーティの際に持ってきた安スパークリング・ワインなのは間違いなし。次回、友人宅でのパーティでもあれば、このスパークリングワインを持っていこうと思っていました。そんなある日、飲兵衛仲間のアリスさんからお誘いが飲みの誘いが。アリスさんはスパークリングワインが大好きなので、ちょうど良い機会かな~とこのボトルを持っていくことに。さすがにこの安ボトルだけじゃ申し訳ないので、もう一本、適当なワインを見繕って、2本のお酒と食べ物一品を持って、アリス家に出かけました。アトランタに引越したばかりなのに何故かベイエリアに帰ってきたL氏と再会し(再会と言っても以前と同じ頻度での出会いなのでなんらありがたみは無しですが)、Tarlantは冷蔵庫に入れて、まずは持ってきたワインを開けて食事会がスタート。最初に開けたお酒が空になったところで、次にどれを開けようかという話になり、候補として、僕が持ってきたTarlantともう一本、黒字に銀でラベルが描かれた重厚そうなスパークリング・ワインが並べられました。すると、飲兵衛アリスさんが「絶対にTarlantを開けましょう! Tarlantは美味しいですよ!」というではありませんか。僕は、なんだか申し訳ない気持ちになりました。何故って、アリスさんは、僕が持ってきたTarlantをヨイショしてくれているのです。僕が持ってきたスパークリングワインを開けて皆さんに飲ませるために、「美味しい」なんて言ってくれているのです。たかが10ドル程度のスパークリングワインなのに、アリスさんは何て人間が出来ているのでしょう。素晴らしい方なのは以前から分かっていましたが、この瞬間ほどアリスさんに尊敬の眼差しを持ったことは過去にありませんでした。アリスさんがそれだけ推すのだから、当然、Tarlantが開けられました。正直、僕は別なもう一本のスパークリングを飲みたかった…アリスさんが僕に聞いてきました。「本当に、Tarlant開けちゃっていいんですか?」そりゃもう、全然OKですよ。こんな安スパークリングなんて、家にあっても飲まないですからね…ところが、アリスさん曰く、「Tarlantは安くないですよ~ $100くらいはしますよ~」… え”っ僕は本音で答えます。「このスパークリングワイン、ウチの棚に以前からあって、きっと誰かが何かの時に持ってきてものだと思うんです。だから、そんなに大したものじゃないですよ」アリスさんはそれを聞いて、「いえいえ、Tarlantはフランスのシャンパンですよ。」僕、「えっ!?」そして、次のアリスさんの言葉に冷や汗が出ました。続きを読む
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