「X歳で大学院を出てアメリカで仕事があるでしょうか」などとよく聞かれて、その度に「いや、年齢関係ないです」と返事しているんですが、何度も繰り返し聞かれるので、これだけのエントリーをば。えと、そもそもですね、アメリカでは年齢による上下関係という概念が薄い。兄弟は上も下もbrother。姉妹は上も下もsister。先輩・後輩、にぴったりした表現がないので、日本語/英語バイリンガルの人同士だと、英語で話してても、He's my senpaiとか言ったりする。(普通の英語の会話だったら、he's my co-worker)。そもそも気にしていないので、日常生活の中で相手の年齢を聞くことがあまりない。その上さらに雇用における年齢差別禁止の法律もあるので、雇用時にはさらに注意深く年齢を聞かないことになっている。だから、「そもそも誰にもあなたの年齢などわからない」のです。ただし、50代、60代となるとさすがにちょっと厳しくはなる。が、それまでは、東アジア系の我々は、それ以外の人たちより10歳は若く見えることが殆どなので、どちらかというと老けていると思われるリスクより小僧に見られるリスクの方が高い。(もちろん、自分より10歳年下のクラスメートに囲まれて勉強するのはウザイとか、そういう自分の側の問題は別にあります。)「年上の人を敬う」ということが日本の大事なカルチャーな訳で、その中で育つと、「年齢を気にしない」という別文化があることが中々想像しにくいと思いますが、本当にあるんですよ。日本の雑誌や新聞では、誰かが登場するたびにほぼお約束のように(32)とかいう感じで年齢が書いてありますが、あれもアメリカでは見かけることは少ない(でも、あることはあるが)。年齢で他人を判断する習慣が薄いから、年齢を書くことによる情報量増加が限られるんでしょう、たぶん。そういえば、シンガポールで現地の新聞か雑誌を読んだとき、名前の後に(学卒)とか(修士)みたいに学歴が書いてあってびっくり。「そうか、この国では学歴が日本の年齢なみに重要なんだな」と思ったんですが、シンガポール在住の皆さん、どうでしょうね。
投稿者: On Off and Beyond 投稿日時: 2009年6月26日(金) 19:53- 参照(227)
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