Nobody Criticizes the Nobel Prize committees or their selections. The august Swedish academies are just too daunting for criticism. They hand down their verdicts on who is worthy and who is not, and we applaud.ノーベル賞選考委員会メンバーや彼らが選ぶものを批判する者はいない。権威あるスウェーデンアカデミーは批判するにはあまりにも恐れ多い。彼らは誰に資格があり、誰にないかの決定を言い渡し、我々はただ拍手する。C&EN 10月20日号巻頭の編集長コラムはそんな書き出しで始まり、今年の医学生理学賞(HIVウィルス発見の方)と昨年の化学賞(固体表面化学)の選考を痛烈に批判しています。業績そのものについてではなく、誰が受賞者となるべきかについて。特にHIVのストーリーにほとんど紙面を割いています。タイトルはNobel Nonsense。残念ながらウェブアクセスはアメリカ化学会会員のみ。巷のニュースなどでは、HIVの発見者についての長年にわたる論争は最終的に米仏大統領の会談までいって、双方を共同発見者とし、抗体検査の特許を米仏で分け合うという形で決着したということになっていて、その後アメリカのGallo博士(受賞しなかった)が、単離したウィルスはフランスのモンタニエ博士(受賞した)のグループから借り受けたサンプルから単離したものだと認め、今回のノーベル賞が第一発見者を最終決定するものだという流れになってます。コラムに戻ると、しかし筆者はGalloにノーベル賞を与えないのはあからさまな科学史の書き換えだといいます。1983年5月20日のScience誌に、HTLV(human T-cell leukemia virus:ヒトT細胞白血病ウィルス)とAIDSに関する5つの論文が載りました。2つはハーバード、2つはNCIのGalloのラボ、ひとつがフランスパスツール研究所のモンタニエらのラボから。これが彼らが最初のLAV(Lymphodenopathy Associated Virus、後のHIV)報告だと主張し、今回のノーベル賞の根拠にされている論文のようですが、私は実物は読んでいません。しかし筆者によればこれらの5報のうちどれもレトロウィルスがAIDSを引き起こすことは証明していないとのこと。同じ号のResearch Newsの中でもJean Marxという方が"I definitely do not want anyone to get the impression that we have proof of cause. What we do have is a good lead."原因を同定したと思わないで欲しい。我々が持っているのは手がかりだ。というコメントを寄せていると。証明は翌年、1984年5月4日号のScience誌にGalloのグループが患者サンプルからHTLV-III(後にモンタニエたちのLAVと同一とわかり、HIVとなる)と呼ぶレトロウィルスを単離し、大量培養に成功することでなされたと。そして同年7月6日号のScienceで、モンタニエチームがLAVと名づけたレトロウィルスの単離を報告したとしています。Sniping about who should get credit for discovering HIV and who should receive patent royalties for an antibody test for the virus began almost immediately and continued for more than a decade. Gallo was charged with and investigated for scientific misconduct in the early 1990s. It was all a bunch of noise.ほどなく誰がHIV発見のクレジットを得て、誰が抗体検査の特許権を得るかについての論争が始まり、10年以上続いた。そして1990年代前半、Galloは研究の不正に関して追求、調査されたけれども、これらは全部ただの雑音だと言い切ります。In the early days of the AIDS epidemic the groups were competing and collaborating and samples were being exchanged on a regular basis. Who cares where the virus sample came from? Gallo's team proved it caused AIDS and succeeded in growing it.そして当時の状況は、競争と協力が同時に進行していて、サンプルの交換も日常茶飯事だったのだから、ウィルスのソースがどこだったかなんてどうでもいいことだ。Galloのチームがそれ(単離したウィルス)がAIDSを引き起こすことと、その培養にも成功したんだと。さらに、This is a fact: In the first decade of the AIDS epidemic, no one in the world did more to advance our understanding of the disease and the virus that causes it than Robert Gallo.これが事実だ:AIDS流行の最初の10年間、世界中でRobert Gallo以上にこの病気とその原因ウィルスの理解を進めた者はいない。Denying Gallo a Nobel Prize for his work on HIV is reminiscent of last year's slight of Gabor Somorjai. Anyone who knows anything about surface science knows he should have shared the chemistry prize that went to Gerhard Ertl. What Somorjai and Gallo share is that they are both somewhat brash, extremely self-confident Americans, which these days seems to be a major impediment to receiving a Nobel Prize.Galloへのノーベル賞の否定は、昨年の化学賞を当然shareされるべきだったGabor Somorjaiが受賞できなかったことを思い出させる。ふたりに共通しているのは、ふたりとも厚かましく強烈な自信家のアメリカ人であることで、これがどうも近年ノーベル賞受賞の大きな妨げになっているようだ。The Nobel committees' decisions on these and other recent prizes jeopardize their credibility and raise questions about why we should continue to take the prizes as seriously as we do.ノーベル賞選考委員会のこれらの決定は彼らの信用を損なわせ、我々がこの賞にそれほど気を払い続ける必要があるのかという疑問を生じさせる。という感じで結んでいて、かなりきつい調子のコラムとなっています。さすがアメリカ。ちょっと引用しすぎでしょうか?でもおもしろかったんだもん、アメリカ化学会さんどうかお許しを。
投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2008年10月25日(土) 21:11- 参照(214)
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