ここ最近、連続して目からウロコなことが多々ありまして、それらのことをいくつか書いてみようかと思います。
まずはクラシック音楽の目からウロコなこと。
多分、皆さんも知っている曲(曲名は知らなくても、メロディは聞いたことがあるんじゃないかな)に関することです。
私の好きな作曲家、ラフマニノフの作品に「パガニーニの主題による狂詩曲」という曲があります。これはパガニーニの有名なメロディを何度も変奏する作品ですが、この第18変奏曲がとても美しい癒し系の曲で、TVコマーシャルなどにも良く使われるので、みなさんも一度は耳にしたことがあるかと思います。
第18変奏はこんな曲です(YouTubeより)
ところで、この曲のタイトルにもある「パガニーニの主題」ですが、こちらもまた有名なメロディでして、「パガニーニの主題による狂詩曲」の冒頭を聞いてみると、「あぁ、これか」とすぐにお分かりいただけるかと思います(冒頭27秒あたりから主題がはっきり分かります)
「パガニーニの主題による狂詩曲」は、この主題を何度も変奏している曲なのに、なぜ第18変奏だけはその主題と全く関係のない曲なんだろうと以前から気になっていました。
が、今日たまたま聞いていたKDFC(クラシックFMラジオ局)でその理由を説明していて、目からウロコでした。
この第18変奏曲は、パガニーニの主題の
反行形
なのだそうです。
反行形ってはじめて聞く言葉かと思います。私も今日まで知りませんでした。
簡単に言うと、譜面を鏡に映して上下反対にした形のことだそうです。
パガニーニの主題の冒頭の音を並べた楽譜を、鏡に映して上下反転させたものをベースに発展させたのが、この第18変奏になるのだそうで。と言っても良く分かりませんよね。
分かりやすい解説がこちらのサイトにありました。実際、その楽譜を見るとなるほどと思われるかと。
なんと、そういうことだったんですね。ずっと疑問だった第18変奏と主題との関連がようやく分かりました。
しかし、反行形もひとつの変奏として認められるのかなー?
変奏曲というからには、やっぱりオリジナルが連想できる範囲での変奏でなくてはならないような。それとも、プロの音楽家なら第18変奏を聞いて、あー、これは反行形だなって分かるものなのかな。
ラフマニノフの場合、この第18変奏が、それ単体でも素晴らしい曲として成立してしまっているので、仮にそれが変奏じゃなかったとしても、どうでも良くなってしまっているんじゃないかと。これが、反行形であっても、しょぼしょぼの曲であったら、きっと酷評されていたんじゃないかと、そんな気がします。
しかし、反行形を変奏として認めるとしたら、主題の音符を右から左に読んでみるとか、その音の周波数を二乗した音にしてみるとか、とんでもない拡張まで出てきそうな気がします。
何はともあれ、長い間の疑問が解決です!
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