FRB(アメリカの中央銀行みたいなところ)が来月で量的緩和を終了すると発表しました。

今まで、FRBはアメリカ経済復興のために、債券などを買い取る形で市場にお金を増やす量的緩和を行うと同時に、金利を低く抑える政策を取ってきました。

先日の発表では、とりあえず量的緩和は終了させ、低金利政策はもうちょい続けるとのこと。

いままで、アメリカの株価は右肩あがりでした。もちろん、各企業が努力して株価をあげているって要素もあるでしょうが、もうひとつ、量的緩和によって増えたお金が株式市場に回って株価が上がったという要素が多大にあると思います。ってことは、量的緩和が終われば株価も落ち着く、または下げに転じるかと思うのですが、市場はそれほど大きく反応はしなかった様子。もう織り込み済みだったってことでしょうか(前々から量的緩和は止める止めると言っていましたからね)。

また、近いうちに、金利が上がれば、これまた株価が下がる要素の1つになりますよね。というのは、今現在、預金していても利子が低いから株に投資しよう!ってお金が、債券などのマーケットに流れるからです。

また、金利が上がれば、住宅ローンも上がるわけで、これにより、家を買おうという動きに多少はブレーキがかかるかも。となれば、高騰続けるベイエリアの住宅事情も多少緩和される可能性があるかも うーん、でも、焼け石に水かな。ベイエリアの住宅事情は流入してくるIT企業の社員による需要が大きいと思われるから、そういった企業がベイエリアを出ない限りは変わらないのかも。

と、いう訳で、アメリカ経済が今後どう動くのか注目なんですが、そこへ来て、超巨大IPOがありましたね。そうです、中国でインターネット通販などを手がける企業のアリババがNYSEに上場しました。

期待された初値は公開価格の36%増となったそうで、時価総額25兆円。トヨタ自動車を抜く規模になったそうです。アリババに対する市場の期待の高さが伺えます。

僕はアリババで買い物したことないので、どうしてそんなに騒がれているのか良く理解できないのですが、今朝、台湾人の同僚が少し説明してくれました。

アリババはAmazonのようなネット小売の会社と思っていたのですが、それだけじゃなくて、eBayみたいなオークションからPayPalみたいなネットバンクといったことまで幅広くやっているそうです。アリババは中国でダントツ人気な訳ですが、アリババの若き経営者は中国政府ともつかず離れずで非常に上手くやっていっているとのこと。

よく中国企業で成功させるためには政府関係者に賄賂を渡す必要があるとか言われますが、そういうのは全くせずに、ちゃんと政府のポリシーに準じる形でビジネスを大きくしてきたと。現在では、アリババによって多大な雇用が中国で生まれているため(製品の販売や流通など)中国政府も下手なことができなくなっているそうです。アリババがFacebookやTwitterのIPOと大きく異なる点は、アリババは既にIPOの段階で利益を出している会社だということ。今後、まだ伸びる余地はあるし(中国国内ですらまだ伸びるといわれている)、アメリカ市場など他国にも本格的に進出してくるだろうとのこと。また、アリババのCEOはまだ若くて、賢く、会社運営も上手とのこと。彼はもともとITとは縁が無く、会社経営とも縁がなかったのに、ここまでアリババを大きくした手腕はすごいものがあるようです(以上、全部その同僚の話です)。

なんとなーく、中国の会社って賄賂とかを役人に贈って上手くやっていっているのかと思っていたので、そういう会社がアメリカでIPOしてどうするんだろうとか思っていたんですが、これだけ市場が反応しているところを見ると、やっぱり注目株なんでしょうね。

アリババCEOのジャック・マーの、スタンフォードでのスピーチがYouTubeにありますが、彼の英語は聞きやすくて上手です。話では、彼は海外留学とかの経験もないようなのに。

個人的には、アリババよりも、アリババに多大な出資をしたソフトバンクが今後アメリカでどうアクションを起こすかに注目です。アリババのIPOで、ソフトバンクも多大な利益を得る(得た)はずで、その資金をもとにアメリカでソフトバンクがどう行動を起こすのか・・。ソフトバンクのTモバイル買収は失敗に終わりましたが(それにより、スプリント株が下がってしまった..)、また何らかのアクションを起こし、スプリント株が上昇することを願ってやみません(個人的希望ですいません)。

さて、もう1つ大きなニュースが飛び込んできました。
ラリーエリソンがオラクルのCEOを退くとのこと。いつか彼が病気か何かになって、どーするどーする!ってことになるよりは、まだ元気な今のうちに隠居に向けた動きをしておくのは良いことかと思いますが、やはり、市場は敏感に反応しました。うーん、痛い・・。

しかし、個人的に思うんですが、ものづくりの会社のトップって、やっぱり技術者あがりの人であって欲しいなぁと。ファイナンシャルあがりの人がトップになって会社が上手く回るってのもあるとは思うんですが、会社の財務状況が良くなっても、エンジニアには面白みがなくなってしまいそうな(もちろんバランス次第でしょうが)。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2014年9月18日(木) 19:01