2005年8月10日、TSMCが3つ目となる300mm工場建設を発表した。建設費用はUS$7.5 billionであり従来の2倍以上の費用。65nmと45nmプロセスを採用する。竣工は2007年1月から、生産は2008年8月から11Kwpmにてスタートし、最終的なキャパは105Kwpmとする。200mm換算だと315Kwpmであり、200mm Fabの約8個分相当に値する。尚、今現在Pure Play Foundryで300mm工場を保持しているのはTSMC、UMC、SMICとCHRTの4社のみ。各社のCapacityをまとめたのが以下グラフである(出典:各社四半期決算発表。尚、SMICは3Q05予測は未発表)。業界で言われていること、それは「300mm,90nmのWafer Fabを作るのにUS$3 billion、立ち上げに2-3年。おまけに90nm、特に65nmの300mm WaferがMatureになると、世界で数個のFabがあればASIC / ASSP(Memory,CPU,FPGA,Graphics,DSPを除く)はまかなえる」。Pure Play Foundryの300mm工場は全部で6工場ある。今回TSMCが発表したFabを含めると7つにもなってしまう。このため、いづれ結構な数の200mm工場が世界で淘汰されていくことになると予測される。特に競争が激化するのは、市場シェア1%未満のFoundry群。これらの間ではいづれローエンド品の争いが激化し、生き残りをかけニッチマーケットに行くことになるであろう。また統合が進み、大手に買収されるか、弱者連合をつくって対抗するか。いづれにしても生き残りは大変である。尚、同日にIC Insights社は「2005年Foundry Ranking Forecast」を発表。これによれば、市場シェア1%以下のFoundryは、10位のHe Jien(中国)から18位の1st Silicon(マレーシア)が名を連ねている。この中でJazzはSiGeに、PolarFabはBiCMOS / Bipolarというニッチに特化。他社はStandard CMOSあるいはFlashをメインとし、他社との差異化が明確にはできていない。上記表をグラフにしてもっと目にみえる形で検討してみたい。a) “Big 4” Market Share (2005)昨今のSMICの躍進により、Big 3がBig 4となり、TSMC、UMC、SMIC、CHRTで市場シェアの80%を握り、他12社が残りの20%のパイを奪い合っている、という構図が出来上がっている。業界として混沌とした状態が続いており、今後淘汰が進んでいくことになる。b) Top 10 Pure Play Foundry ranking forecast (2005)やはりBig4が圧倒的な売上で他社を引き離しているのが分かる。特筆すべきは、Top10に中国勢が5社(50%)も占めているということ。やはり中国の流れは今後も止まらないのであろう。c) Top 11-18 Pure Play Foundry ranking forecast (2005)こうしてみると、11位以下の中小Foundryでも年間成長は続けているものの、売上額が圧倒的に少ない為、景気変動の波を最も受けやすい体質を持っている。*****従来のIDMモデルから、設備投資を軽減するFablightへの方針転換や、設備投資のいらないFablessモデルへのシフトが進む中、Pure Play Foundry業界の二極化が進んでいる。上位4社の「Big4」に、市場シェア1%未満の振興Foundryがどう対抗していくか。他社との差異化が最も求められている。ニッチ市場への取り組みが鍵を握っているのかもしれない。

投稿者: シリコンバレー発 脱藩組の挑戦 投稿日時: 2005年8月11日(木) 20:24