日本に一時帰国していた時、突然、母から「渡したいものがある」と言われました。1つは・・・母からの譲り受けました こちらの貝絵。大きな貝 手のひらほどの大きさのはまぐり。このはまぐりの貝を開くと・・・源氏物語の貝絵 このような素敵な貝絵が現れます。これは父と母の教員仲間の平出宏行先生が退職後、貝絵を描き始め、平安の女性の絵を描いていた奥様の敏子さんと一緒に1991年より2年に一度、銀座の松屋で貝絵の個展を開いておりその個展を見に行った際に買ってきたものだとか。平出先生と奥様の敏子さんは東京芸大の日本画科同級生で特にこのような古典ものをお好きで書かれているそう。いろいろな貝絵があります 平出先生の貝絵は源氏物語の各場面が描かれています。この貝絵は葵の二、葵上の四十九日の喪が明け二上院に戻った光源氏と素敵な女性になった紫の上が描かれています。決して安くはないこの貝絵ですが、記念に・・・と買い求めてきたんだとか。大事にしまっておいた、この貝絵を、今回私に譲り渡してくれたのです。もう1つは・・・真珠の指環 こちらの真珠の指環。 母のお気に入りの指環でした。6月生まれのせいか、私は昔から真珠が大好き!母のこの指輪も、シンプルなデザインながら真ん中の真珠の脇のテーパードダイヤの輝きがきれいで昔から大好きな指環でした。それを知ってか知らずか、今回、何を思ったのか私に譲ってくれました。自分の大事なものを娘の私に・・・それは、母なりに何か覚悟のようなものがあったのかもしれません。救われた命。 大事にしていきたい。そう思っても、いつ何があるかわからないのが人の常。今は大丈夫だけど、次に私が日本に戻ってきた時お互い元気な状態で話ができるかどうかもわからない、ならば、せめて、ちゃんと2人で語り合うことができる間に自分が大事にしていたものをこの手でちゃんと娘に渡したい・・・そんな思いがあったのでは・・・と想像しました。人って不思議ですね。自分より先に親世代が死ぬのはわかっているんです。でも、でも、自分の親だけはいつまでも生きている、そんな風に思ってしまうんですですよね・・・。そんなことは決してないのに。

投稿者: Campbell CA ベイエ... 投稿日時: 2008年4月24日(木) 00:51