アメリカ本社への社内移籍が決まった4年ほど前、ネットで新しい住居の候補を検索したり、生活立ち上げの Tips を探していたりしていると、こんな記述に行き当たった。「アメリカでは、家やアパートを借りるときには絶対に家賃交渉するべき。家主からオファーされた値段をそのまま払うのは何も知らない日本人ぐらいだ。今後舐められないためにも交渉はしっかりすること」そうか、そういうものかと納得して、今住んでいるアパートに入居を決める前に交渉してみたら、何度かの問答の末、値段がしっかり下がった。そのすぐ後にその記述は正しくないことが分かった(同僚のアメリカ人の半分ぐらいの人が値段交渉などしていない)が、そのことで更に「俺、take advantage されずにちゃんとアメリカでやって行けてるじゃん」という自信に繋がった。その後、契約更新の度に家主は家賃値上げをオファーしてきたが、その度に交渉をして据え置きまたは別のディール(1ヶ月家賃無料など)を引き出してきた。そして今回。当たり前のように値上げを知らせてきたので、当たり前のように交渉に向かった。新しいアパートメントマネージャのおじさんは非常に強硬で、10分と思っていた交渉は1時間に亘り、1週間持ち越しの末、結局値上げに変更は無し。初の敗北。一生懸命 big words を沢山使って舐められないようにしたのに。金額としては大したものではないが、もうどこで読んだのかも覚えていない、間違ったブログ記事の文章が自分を苛む(大げさ)。まあ、でも、マーケット標準に比べて高いわけじゃないし、このまま呑むしかないか…と思いつつ、なんとなく更新手続き期限が近づいてきた日のこと。おなじみの中華レストランで昼を食べていたら、顔なじみのオーナーが話しかけてきた。「あなたが結婚してるなんて知らなかったわよ。しかも赤ちゃんまでいるなんて。今どこに住んでるの?賃貸なの?家賃いくら?」中国系の人ってすぐ値段を聞くよね、とステレオタイプなことを考えながら正直に答えると、「最近私が買った新築の家があるのよ。そこに住まない?家賃は今と同じでいいわよ。ほら、高い家賃を取るより、信頼できる借主を見つける方が大事でしょ?あなたなら大丈夫だわ」思い返すと、サンタローザに駐在が決まった直後の短期出張中にこのレストランで食べたのが10年前。途中3年ほど抜けているけど、10年間に亘る悪くない食事マナーとちょっと多めのチップがこんな形で返ってくるとは。家を見せてもらうと、ちょっと窮屈ぎみの間取りではあるものの、今のアパートより広く、部屋数も増えて、庭もガレージもちゃんとあって、キッチンもグレードアップになる。リビングの開放感と窓からの景色は悪くなっちゃうけど、会社には近くなるし、今のアパートよりはいい物件だよな。でも、水道代自己負担を入れると家賃は高くなるのかあ…と半分独り言で言ったら、今の家賃よりも安くなってしまった。おや。ということで、今月末に引っ越します。赤ん坊がいる状態でのパッキングは思ったより進みが遅いけど、まあ何とかなるでしょう。何人か既に引越し手伝いの申し出をしてくれて有り難いのですが、アパートの2階からの引越しで家具の量が多め、かつ赤ん坊がいるので、業者に頼むことにしました。業者は強い推薦を頂いたここにすることに心の中で決定しました。情報ありがとうございました。他の皆様に教えて頂いた色々な情報にも感謝いたします。

投稿者: admin 投稿日時: 2008年3月9日(日) 23:30