canmoreの宿から更新されたビザを受け取った6月1日の夕方、カルガリーを離れてカナディアン・ロッキーに向かいます。カナディアンロッキーの見所の中心はバンフ国立公園とジャスパー国立公園でしょう。バンフ(Banff)、ジャスパー(Jasper)ともに小さな街の名前で、バンフはカルガリーから1時間半ほど、ジャスパーはバンフから2時間程度で着きます。まず、初日はバンフのひとつ手前の街、ケンモア(Canmore)の宿に泊まりました。カルガリーから1時間半程度しか離れていないのに、まだ国立公園の外なのに、窓の外には山岳風景が広がります。いったい国立公園の中はどんな風景が広がっているんだろうと期待は膨らみます。湖はじめのうちは、カナディアンロッキーはイースタンシエラに似ている印象を感じました。どちらもスパッと切り立った山を間近に眺められるからです。また山の高さを比較するとイースタンシエラは4000m級の山々が聳えるのに対し、カナディアンロッキーは3000m級で、その数字を比べるとイースタンシエラに軍配があがるよなぁなんて数字の比較をしてしまっていました。でも、カナディアンロッキーの方が山々を取り囲む緑鮮やかな森があり、その森の中を蛇行する大河があり、とっても落ち着く感がありました。イースタンシエラは砂漠ですからねー。レイクルイーズカナディアンロッキーを代表する景観のひとつ、レイク・ルイーズ。ほとりにはクラシックなホテルが建っています。モレーンレイクモレーンレイクはまだ一部が凍っていました。日中の日差しは強烈で、気温も暑いくらいなのに、日が落ちるととたんに寒くなります。アサバスカ氷河カナディアンロッキー観光の目玉といえば、何と言ってもコロンビア大氷原(Columbia Icefield)でしょう。コロンビア大氷原は、3000メートル級の山の上にある万年雪が降り積もった場所で、北極圏外で最大の氷原です。コロンビア大氷原の面積は325平方キロとのことなので、山手線の内側の5倍もの面積があります。このコロンビア大氷原からは8つの氷河が流れ出していて、そのうちのひとつアサバスカ氷河(Athabasca Glacier)には、スノーコーチと呼ばれる特殊なバスに乗って氷河の上に立つことができます。この氷原から流れ出した氷河ややがて川となり、太平洋、北極海、大西洋の3つに流れ込むのだそうです。ここから北極海や大西洋まで流れていくのは長い長い旅ですねー。スノーコーチで氷河の上へスノーコーチに乗ってアスバスカ氷河の上に立ってみたんですが…。うーん、どこぞのスキー場の駐車場ですか?って感じです。足元の氷が黒く濁っていてあたかもアスファルトの上に氷が張ったような感じ。今回の旅行の目的はビザの更新でしたから、トレッキング用の靴などは持ってきていませんでした(と言っても、テントや寝袋は持ってきていて、ロッキー山中でテント2泊したんですが)。でも、緑豊かな山を眺めているうちにどうしてもトレッキングがしたくなってきました。そこでこのアスバスカ氷河から谷を挟んだ向かいにあるウィルコックス峠(Wicox Pass)まで歩いてみることにしました。ガイドブックによれば往復5時間程度の比較的容易なコースでトレッキングシューズじゃなくてもいけそうだったのが、ここを選んだ理由のひとつ(トレッキングシューズは持っていく余裕が無かった)。もうひとつはやはり何と言ってもアスバスカ氷河を眺めるのに適した場所だと説明されていたからです。ウィルコックス峠への道は人気コースでシーズンともなれば大勢の登山客で賑わうと書かれていたのですが…やはりシーズン前なのでしょうね、僕が登っているときは一組の下山パーティとしか出会いませんでした。それにまだ登山道が雪で覆われている箇所も多々あり、膝まで雪に埋もれながらのトレッキングとなりました。おかげで靴は水浸し。途中で引き返そうとも思ったのですが、登れるところまで行こうとがんばりました。稜線に出てからは森林限界も越えたため、眺望は素晴らしく、広い高原の道を歩いていきます。気分はアルプスの少女ハイジ、または、サウンド・オブ・ミュージックのオープニングの高原で歌を歌うジュリー・アンドリュースです。Columbia Icefieldコロンビア大氷原の様子が分かりますか?ほぼ平らな山の上に雪が厚く積もっています。年平均で8mの降雪があり、雪の重さで下は固い氷となって、氷河に流れ出すそうです。写真の氷河はドーム氷河と呼ばれる氷河で、アサバスカ氷河のすぐ隣の氷河です。ウィルコックス峠は開放感のあるなだらかな高原でした。こんな素晴らしい景色なのに僕の他には誰もいません。空気も澄んでいて小鳥のさえずりも聞こえます。日差しは強いけど、風は心地よい。とても良い気分です。さて、ではここで問題です。ぴろりんは、ここで一体何をしたでしょうか?

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2007年6月10日(日) 07:00