ちょっと前のことですが、勝手に時効と判断して書いちゃいます。

ぴろ太郎(3歳10ヶ月)はShelter-in-place発令前までは2つのプリスクールに通っていました。

ひとつは自宅近くの英語プリスクールで、ここは毎日朝から夕方までありました。

もうひとつは自宅からは多少離れたところにある日本語幼稚園。この日本語幼稚園、その名が示すようにカリキュラムをすべて日本語で行う幼稚園で、運営方針も日本の幼稚園そのもの。例えば、お弁当などの入ったバッグは園児が自分で持つ、玄関で上履きに履き替える、号令(起立、礼、着席!)がある、お弁当は残さずに食べる…などなど。ある程度日本語での意思疎通ができることが入園条件で簡単ですが入園試験もあります。まさに、日本にある幼稚園をそっくりそのままベイエリアに持ってきたような園です。素晴らしい幼稚園ですが、ここは週3日しか開校しておらず、その3日も朝から昼過ぎまでなのが難点。

なので、ぴろ太郎は日本語幼稚園がない日はローカルの英語プリに行き、日本語幼稚園がある日は日本語幼稚園に行ってから英語プリに行って夕方まで過ごすという日課でした。

Shelter-in-placeになってから、どちらもZOOMによる授業をオファーしてくれています。英語プリは30分程度のZOOMクラスでアルファベットの書き取りなどを、日本語幼稚園は1時間程度のZOOMクラスで季節の言葉や日本語しりとり、そして工作などもしてくれます。ちなみに英語プリはShelter-in-Placeになってから学費は徴収していません。

ZOOMクラスを開講してくれるのは有難いものの、実際のところ3歳児が大人しく画面を見てくれて一人で学んでくれるはずはなく、キーボードに手を伸ばしたり、モニターを閉めたりと好き勝手なことをしまくるので、大人が隣に座っていろいろと補助しないとどうにもなりません。

英語プリのZOOMクラスはアルファベットや数字の書き取りですが、かなりゆるく、画面向こうの先生が書いた字をみんなも書いてねみたいな感じなので、生徒が全く関係ないものをお絵かきしていてもお咎めなし。

一方の日本語幼稚園は少人数ということもあり、先生が各自の進捗を確認するので、子供達が同じペースで学習を進める必要があります。

さて、事件は日本語幼稚園でのZoomクラスで起きました。

基本、ぴろ太郎の日本語幼稚園Zoomクラスはかみさんにお願いしています。その日、ぴろ太郎は機嫌が悪かったのか、全くZoomに向かってくれません。Zoomを開いても席を立ったり、キーボードに触れたり、画面を閉じたりと好き勝手なことばかりやっています。

かみさんもフルタイムワーカーなので、その隣で自分の仕事をこなしていますが、ぴろ太郎はおとなしくしてくれないのでイライラしているのが分かります。

この日はこいのぼり製作でした。他の生徒は先週作成したこいのぼりに、糊でウロコを貼り付ける作業を黙々とこなしていますが、ぴろ太郎は全くできていません。かみさんは、Zoomをミュートにして音声が入らないようにし、ぴろ太郎に指示を出していますが、ぴろ太郎は聞く耳を持ちません。

そうこうしているうちに、ぴろ太郎は席を離れてソファーにゴロンと横になりました。かみさんのイライラが爆発しそうな様子だったので、ここはひとつ僕の出番と、僕がぴろ太郎をソファーから抱きかかえ、席に座らせ、一緒にウロコを貼ろうねと作業をはじめました。

すると、画面向こうの先生もぴろ太郎が離席したのを気にしてくれたのでしょう。ぴろ太郎に、

「ぴろ太郎くん、どうですか?できていますか?」

と気にかけてくれました。

そこで、僕はMUTEを解除して、ぴろ太郎に小声で、「ほら、先生にできているって言いなよ」と伝えます。

その間、極めて短い時間でしたが、かみさんは隣で自分の仕事をしていました。そして、ぴろ太郎が席に戻ってきても、全くウロコ貼りが出来ていないのを見て堪忍袋の緒が切れてしまったのでしょう。腹の底からの大声で、

ぴろたろぉぉぉ~、貼れェェェ

と怒鳴ったのです。

あちゃー。

えぇ、かみさんはMUTEになっているものとばかり思っていたそうです。

日本語幼稚園に通うぴろ太郎のクラスメイトおよびそのご父兄の皆様、大変お聞き苦しい点がありましたことをここにお詫び致します。

この後すぐにかみさんはMUTEが解除されていたことを知り、自分のやってしまったことを後悔します。と同時に、訳の分からないことを僕に言ってきました。それは、小声で僕に「ZOOMのビデオに僕に顔を出しなさいよ」と言ってきたのです。

もちろん、顔を出すのは全く構わないのですが、なんでそんなことを言ってきたのでしょう。この時、思ったのは、きっと僕が顔を出せば、怒鳴ったのが僕だと思われると感じたようです。でも、どう考えても声音が違うのでバレていると思うのですが。

でもね、思うんです。正直、どこの家庭でも同じようなことは起こっているのだろうと。声に出してZOOMで皆さんのお宅に怒鳴り声までは出さなくても、そういう気持ちになることはあるだろうと。きっと、皆さん、「ああ、うちと同じだ」と安心してくれたのではないでしょうか…

その数日後、日本語幼稚園からメールが来まして、お子さんが(何かの質問に)答えられなくても親御さんが横から答えを教えたりしないでくださいと言ったお願いの連絡が届きました。そのほかにもいくつかのお願いが列記してありました。

直接は言っていませんが、自由にやらせてあげてください…ということを遠回しに言っているのではという気がしなくもない今日この頃です。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2020年6月1日(月) 23:21