San Mateoダウンタウンにオープンした大勝軒。オープン直後から大行列で、Yelpのレビュー記事を読んでいると、「ウェイティングリストのノート3ページすべてが名前で埋め尽くされた」とか、「長い列に並んでようやく自分の番になったら、ウェイティングに名前を載せるための列だった」とか、もう笑い話みたいな話が多々ありました。

ある時、その大勝軒のホームページを見ていたら、「9月3日まではランチはオープンしません」と書かれていたのに気づきました。ん、ってことは、今日9月4日は、ひょっとしたらランチやっているのか?(今日は事情があって家から仕事してました)。

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大勝軒、オープン時もオープン予定日がどんどん後ろにずれていったことを考えると、今日からランチオープンしている可能性は低いだろうなぁ…と思いつつ、もし、開いているなら狙い目かも!?と思い、ダメ元で11:40分頃に行ってみました。まぁ、いずれにせよランチはどこかで食べなくちゃならないので、開いていなかったり、すでに長蛇の列になっていたらその界隈の違う店でランチ済ませようという軽い気持ちで出向いたのです。

すると、店の前には数組が待っている様子でしたが、それほど人数はいません。車を停めて、店頭にあるウェイティングタブレット(Yelpのシステム)に名前を書いたところ、自分は7組目でした。ひとりで行ったので、これならカウンター席が空いたら待たずにすっと入れるかも!?と内心期待していたのですが、前の組をいくつか飛ばして5分程度で入店できました!ラッキー。

店内は既に満席で、僕は同じタイミングで名前を呼ばれた中国系カップルと6人掛けテーブルに相席になりました。

かつて「喜作」という日本食レストランだった店舗ですが、当時の雰囲気はあまり残っておらず、店内は純和風なインテリアで装飾されていました。この喜作でシェフをして、独立して成功しているシェフの方々、結構いますよね。Oakland方面ならGeta、ビー玉、Delage をはじめた方はかつて喜作のシェフでしたし、Millbraeの馬車道、Redwood Cityのひぐまの現在のシェフもかつては喜作で働いていました。なんだか当時が懐かしい…。

閑話休題

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席数は結構多くて、カウンター5か6席、4人掛けテーブル7つ程度、6人掛けテーブルが3つほどあり、一部には火が燃えさかるインテリアが飾られていました。

ランチメニューはディナーよりも品数が少なくなっていますが名物のつけ麺やラーメンは同じ値段で提供されています。

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この日、僕がオーダーしたのは、特製つけ麺。お値段、なんと $17 です。高い…ですよね。

特製つけ麺を「特製」たらしめているのは、トッピングのSous-Videチャーシュー3枚に味つけ玉子(のようです)。Sous-Videは少し前に流行しましたね(今でも流行っているのかな?)、肉が硬くなりだすちょい手前の温度で長時間加熱する調理方法です。

オーダーして程なくして出てきたのがコチラです。

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トッピングは、海苔、味付け卵、そして3枚のチャーシュー。
写真では見にくいのですが、チャーシュー3枚のうち、2枚がハムのような色をしている薄切りチャーシューで、もう1枚が多少厚めの炙りチャーシューでした(写真だとハムのような色したチャーシューの下にある黄色く見えるモノ)。

僕は、つけ麺ってそんなに食べたことはないのですが、今年7月に日本に一時帰国した際に東京駅丸の内のKITTEビルにて、松戸とみ田のつけ麺を食べました。話では、とみ田は、大勝軒のオーナーの孫弟子にあたる店とのこと、勝手に師弟対決だと盛り上がっておりました。

さて、以下、自分なりの感想です。まず、最初に書いておきますが、大勝軒のつけ麺は文句なく美味かったです。アメリカで、San Mateoで、ここまでのモノが食べられるようになったんだーと驚きましたし、つけ麺の珍しさもあるのでしょうが、人気があるのも分かります。

ただ、有名店を日本から持ってきた訳で、値段も高額であれば、お客も、当然、美味いに決まっているよね!みたいな先入観もあるので、必然的に辛口批評になってしまっています。これはこの店に限らず、話題の店に行くと必ず辛口批評になってしまってますので、あしからず…

さて、出てきたつけ麺を前に、一番最初にいただいたのは麺。一本の麺を箸に取り、何もつけずにそのまま口に入れます。この店の麺は太くて、キュッとコシがあって、食べ応えがあります。茹で上がった太麺を冷水で洗ったのでしょうね、つるりと喉を滑り落ちる食感は、みずみずしくて瞳孔がぐっと開くような驚きを感じました。ただ、ただひとつ、麺の風味がどうも感じられません。「とみ田」の麺をそのまま口に入れた時は、高原にどこまでも広がるソバ畑の真ん中に一人ポツンと立ち、爽やかな風に運ばれてきたソバの香りに包まれる…そんな感じを受けましたが、そういった麺の風味はちょっと弱いのです。

続いてスープを一口。ドロリと重みがあるスープは、見た目からは想像できないほどに、濃厚なカツオ出汁がきいていて、口いっぱいに柔らかな美味しさが広がります。と同時に、柚子かスダチの柑橘の爽やかな香りが鼻腔をくすぐって後味スッキリ!

が、その美味しさが通り過ぎたあとに、ほんの少しですが後味の悪い辛さが喉に残ります。胡椒がききすぎている? 「とみ田」ではそういう後味の悪さを感じることはなかったような。

チャーシューは美味いのだけれど、果たしてSous-Videにする必要のあるものなのだろうか?と率直な疑問が。炙りチャーシューも、炙った香ばしさはもう消えていました。炙りチャーシューと言えば、かつて、味噌屋がオープンした当時に提供していた炙りチャーシューはチャーシューの旨味に香ばしさが加わって、あれは美味かったなぁ。あの旨さには、全く歯が立ちません(ちなみに、その後の味噌屋は味が激しく落ちて、もう行ってません。オープン当時は日本からスタッフ呼んでいたように思われ。)。

最後に、残ったスープは濃すぎてそのままでは飲みにくいので、スープ割りを入れて薄めてもらえます。スープ割りは無料ですが、自分でコントロールはできずに、お店の人が急須でスープ割りを注いで薄めてくれました(自分でやる!と言えばできたのかも)。

僕は替え玉はしませんでしたが、替え玉もできるようです。ですが、替え玉は細麺になると店の人が隣のテーブルに説明していました。

うーん、なんだか悪いところばかり強調してしまうレビューになってしまいました。ごめんなさい。でも、全体としては美味しかったです。あえて重箱の隅が気になってしまうのでした。

つけ麺のスープはそもそも味が濃いものなんですが、にしても、一口スープを飲んだあとに喉の奥に残る絡みつくような辛さは、僕にはいただけなかったです。大勝軒の味がそもそもこういうものなのでしょうか、それとも、アメリカだから意図的に、日本以上に味を濃いめにしているのかなぁ。または、僕が年をとって、濃いめが苦手になりつつある?

San Mateoの大勝軒、(確かな)噂だと、San Franciscoで大成功しているラーメン店の麺匠がその運営に深く携わっているとのことです。なので、単に日本の大勝軒の看板を持ってきただけではなく、麺匠が蓄えたベイエリアで成功経験がブレンドされているかと。Sous-Videなんて名称をメニューに入れるあたりは、まさにそれなのかな?

また行くか?と言われれば、行きたい店ではあります。次は、ラーメンか、まぜそばを頂きたいものですが、長ーい待ち行列は避けたいところ。長時間並んでまで食べたいとは思わないってのが正直なところでしょうか。

ちなみに、店の奥にはUniSexのトイレが2つあり、その1つにはおむつ替え台が設置されていました。
また、店内には子供用のハイチェアも用意してあり、子連れ客もいました。

支払いは、今流行りの、タブレットを使ってその場で決済できる仕組みになっていました。チップは15%から選択できるようになっていて、チップ計算には税前の額にチップが計算されていました。そこは高評価!

ひょっとすると、ランチ営業がはじまったばかりと思われる今が行列も短く狙い目かもしれませんね。

大勝軒
47 E 4th Ave
San Mateo, CA

Tue-Sun
11:30am-1:30pm & 5pm-9:30pm

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2019年9月3日(火) 22:11