函館にて午前零時を過ぎて1月3日となった。以下、3日の記録。

0:40am、函館駅に「急行はまなす」入線。

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はまなす、車両は見た目からしてかなり古い。青い外観はブルートレインと呼ばれていたものをそのまま使っているんじゃないかと思われ。昭和のノスタルジーがプンプン臭う列車なことは間違いない。予約できたドリームカーは、かつてのグリーン車だそうだが、今となっては名前負けしている。

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トイレも懐かしいステンレス製の和式トイレ。自分が子供の頃の列車のトイレってみんなこんなのだったなぁと記憶が蘇る(トイレと言えば、仙石東北ラインの列車のトイレは綺麗なのは新しいから当然としても、すごく広くて驚いた)。

函館駅では、はまなすは1時間以上停車。ここで牽引車連結をするのだが、鉄ヲタの皆様がそのシーンを写真に収めようと、客車から大勢降りてきて写真を撮っていた。中には浴衣姿の人もいてちょっとびっくり(どこかの旅館で盗んできた浴衣かと思ったが、何人か浴衣姿の人がいたことを思うと、寝台車では浴衣が用意されているのかも)。

客車は満席。シートを倒して睡眠をとる。

1988年から運行開始しているはまなすは、JRグループにおいて客車を使用し、かつ定期運行を行う、唯一の夜行急行列車だそうな(出典 wiki

シートも若干くたびれた感じで、あまり乗り心地が良いとはいえないが、この体験もこれが最初で最後だろう(2016年3月で急行はまなすが廃止となるため)。

列車はうっすらと雪が降る中をガタガタと音を立てて走る。

札幌に6am過ぎ到着。次の特急スーパー宗谷まで2時間弱の時間がある。

外はまだ真っ暗だが、どこかで軽く食事ができる場所を探して徘徊するが見つからず。スタバは多々あれどまだオープンしていない(アメリカのスタバは午前5時や6時にはオープンしているのに日本は遅いことを知る)。駅周辺で営業しているのは駅の立ち喰い蕎麦。24h営業の吉野家とか探すも見つからず(札幌にはないのか?)。結局、街をうろついているうちに午前7時になり、近くにあったマクドナルドがオープンしたのでそこに入る。

食事を済ませて駅へ戻り、7:48am札幌発の特急スーパー宗谷に乗る。

札幌から稚内まで5時間の旅ながら、この列車には車内販売も自販機もない。

岩見沢手前で一面の銀世界。曇天になり小雪舞う。函館も札幌も雪はあったが、多少積もった程度だったので全然北海道っぽさを感じなかったが、これで北海道に来た気分に。名寄、士別あたりでは雪の降り方も本降りに。列車は、蛇行する手塩川に沿って山の中を進んでいく。

稚内少し手前で、列車は日本海を見下ろす高台を走るポイントがある。ここから利尻が見えるんじゃないかと期待したが、曇り空で見えず。

12:53稚内着。

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稚内駅は最近立て直されたようできわめて新しい。

駅の建物には、道の駅と映画館も入っている。映画館では新作のスターウォーズ上映中。

駅に隣接するバス案内所に行ってみると13時過ぎに宗谷岬に行く路線バスがあったので早速往復チケット購入。当初はレンタカーでもするしかないかと思っていたが、路線バスがあって助かる。隣にあったコンビニで買い物をして、バスに乗り込む。

バスは稚内市内を抜け、左手にオホーツク海を見ながら海沿いを進んでいく。辺りは一面の銀世界。

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市街地を抜けたところで、バスの中にいるのは観光客と思われる人たち7,8人。日本人は僕ともう一人くらいで、あとは中国人の中年カップル、韓国人数人、東南アジア系と思われる顔つきの男。

宗谷岬には14時すぎに到着。車内にいた乗客ほぼ全員がここで降りた。稚内に帰る次のバスは50分後。数軒のくたびれた土産物屋や旅館があるが、土産物屋1軒を除いてすべて閉店。その土産物の店先にある温度計はマイナス4度を指している。

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遂に最果ての地に到着。宗谷岬の碑。

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思ったより暖かいが、風が強くて顔が痛い。
ここから北に40km行くとサハリン(樺太)。晴れた日には樺太が見えるそうだが、この日は曇り空で見えず。残念。

小高い丘の上に何かのモニュメントが見えたので、行ってみる。

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この折り紙の鶴の首みたいなモニュメントは、1983年にソ連に撃墜された大韓航空機の慰霊碑。撃墜地点がサハリンで、ここから目と鼻の先。合掌。

丘の上から北を眺める。樺太見えないのが残念。

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その後、駅に戻り、今度はノシャップ岬行きバスに乗る。ノシャップ岬は、稚内市街の外れにある岬で、ノシャップ岬までは住宅街が続く。バスの終点から800メートル程度歩くとノシャップ岬で、みやげ物店が並ぶが、店はどれもクローズ。

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ノシャップ岬には、クリオネの展示でちょっと有名になった寒流水族館なる水族館があって立ち寄ることを考えていたが、なんと1月いっぱい閉館していることが判明。

ノシャップ岬のモニュメント。
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ノシャップ岬の看板
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夏場なら、ここでロマンチックに夕日でも眺めていられるだろうが、1月と氷点下で、ビュービューなぐりつける風に顔が痛く、厚い雲も出てきたので足早にバス停に戻り、駅へ。

この日の宿は目星はつけていたがまだ押さえていなかった。稚内駅でネットがつながるので、目星をつけていたドーミーイン稚内というホテルを予約。そして、そのままホテルへ向かう。ドーミーイン稚内は駅から2分程度で、すぐそこに建物が見えるが一応ネットで予約。ドーミーイン稚内、お値段手ごろなビジネスホテルながら、最上階の10Fには温泉の大浴場があるというのがポイント。

実際のところ、大浴場は期待以上に大きく、露天風呂もあって文句なし。フロントには無料コーヒーサービス、夜11時まで無料夜鳴きそばサービスなどもあり快適。自由に読めるマンガ本なんかも備えてあった。部屋も綺麗で文句なしでした。

チェックイン後は、食事に出ようと、ホテル周辺のレストランリストを眺める。正月の営業状況も記してあって便利。やはり正月とあって開いてる店は少ない。すぐ近くに、常連が多いという寿司屋、寿司竜がオープンしていたのでそこへ行く。

寿司竜はオーナー夫婦で営んでいる小規模な寿司店で、大将がひとりで寿司を握り、奥さんが厨房と配膳を担当。店内はほぼ満席。カウンター中央にひとつ席が空いていたので、そこに案内される。その後、二人組が入ってきて一番奥に彼らが座り、カウンターは満席に。小上がり席もほぼ満席だった。

はじめは大将が忙しかったので、お通しと焼き物を肴にちびちびとビールを飲む。その後、カウンター客がぽつりぽつりと帰りだす。手に余裕が出てきた大将が僕に気遣ってか話かけてくれたので、いろいろと会話しながら寿司をいただく。

そうこうしているうちに、カウンターに座っていたお客さんたちに会話が広がり、せっかくだからということで、みんなが席を詰めて集まって飲むことに。僕の右手には、この店の常連客のおば様。稚内出身だが、江戸っ子っぽいキップの良い方で、いろいろ手広くビジネスを展開しているんじゃないかと思われる。僕の左手には僕のあとに入ってきた男性客二人連れ。一人は地元稚内の人で町おこしをしている若者、その連れの人は利尻出身で、現在は利尻富士の山岳ガイドをしているそう。この二人組みの向こうには、仕事で稚内に来たというツアーガイドの女性。

この面々で店の大将、奥さん、その孫(帰省していた高校生)を含めて盛り上がる。常連のおばさまが、店にあった利尻や樺太の写真を見せてくれた。話では、冬は天気が悪いのでなかなか見えないそう。このおばさま、アメリカにも何度も旅行しているそうで、ゆくゆくは孫らを海外(ニュージーランド)で育てたいのだそう。

小上がり席では誕生パーティをやっていたが、ケーキがあまったそうで、おすそ分けをいただく。日本酒飲みながらのケーキも悪くない(酔っているから?)。

盛り上がった宴も終わり、皆で店を出る。僕はホテルへ。
11時前だったので、ホテルで無料の夜鳴きそばをいただくことができた。そして就寝。

二日目まとめ

  • 通常購入した場合のこの日の運賃(特急券含む) 14,690円
  • 稚内はちょっと寂しい感じの街でした(昔は漁業などで賑わっていたらしい)
  • ドーミーイン稚内とても気に入った(また利用したいぞ)

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2016年1月28日(木) 08:32