米国人(現地の人たち)の食事風景もずいぶん変わって来た。特に箸の使い方に関しては、間違いなく上手に使いこなしていると思う。おにぎりをオーダーする人も増えている。昔は海苔をブラックペーパーと呼び、巻物でも裏巻き(海苔内側シャリが外)でないと口にできなかったのに。
寿司に関してもお任せが増えている。自分はなんでも食べるので、いいところから適当に握ってくれというスタイルだ。海老、うなぎ、スモークサーモン、カリフォルニア巻きが売れ筋だった25年前とは隔世の感がある。
醤油を目いっぱい小皿に入れて大量のわさびを溶き、黒い醤油をどれだけ緑色に近づけるかで通を競い、べしゃべしゃ醤油付けの寿司を食べていた人たちが、「軽くレモン塩で」とか、「炙りで」などとも言うようになった。
地道な啓蒙効果をうれしく思うとともに、じつは彼らの所作から影響を受け、やりたいけど日本人としてはやってはいけないと思われる禁断の所行がある。でもやってみたい。じつはすでにに楽しんでいることがある。
その一 鉄火巻きご飯
鉄火巻きを1本と熱いご飯を頼む。わさびをたっぷり付けた鉄火巻きを醤油に浸し(べしゃべしゃでいい)、これをおかずにして熱いご飯をかき込む。おしんこ替わりにガリをほおばる。醤油とわさびの量加減を工夫すれば、鉄火巻き1本でご飯二杯はいけるし、みそ汁が付いてくればおなか一杯だ。熱い飯にすし飯、海苔、マグロ、醤油、わさびの組み合わせ、不味いはずがない。勇気ある日本人の方、一度日本の寿司屋でやってみてレポートいただきたいものだ。
その2 鍋焼きうどんの天ぷらサイド
いつのまにか我が店の鍋焼きうどんとてんぷらうどんは、天ぷらをサイド、つまりうどんに乗せずに別皿で出すようになった。これはそういうお客さんのリクエストがあまりにも多いからだ。これならまず天ぷらを前菜としてカリカリで味わい、うどんをメインディッシュにできるわけだ。その際、天つゆや、レモン塩もリクエストされる。これはぜひ日本のうどん屋/そば屋でやってみたいのだが、料金体系がどう変わるのか怖い気がする。
その3 天ぷらは手づかみで
米国人の箸使いの巧みさは先に述べたが、どういうわけか皆、天ぷらは手づかみで食べる。理由は聞いたことがないし、自分でも試してはいないが、一度やると二度と箸を持てなくなりそうでこれまた怖い。
その4 熱燗には蓋を
熱燗を頼み飲む際には、注いだらすぐなんでもいいのでそこらにある皿などでお銚子に蓋をする。これはおそらく保温効果を期待してのことだと思う。日本人飲んべえたるもの、これはぜひ見習いたい姿勢だ。
投稿者: 寿司豊味ととろぐ Sushitomi 投稿日時: 2014年1月29日(水) 00:34- 参照(155)
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