言葉の威力は素晴らしい。言葉には、人の魂に触れ、その人の生命を奮いたたせる力がある。素晴らしいスピーチに出会う度に奮起し、よし、頑張ろう!と思う。ちょっと前の話ではあるが、転職のお祝いにと、僕が尊敬する方の一人からそういうスピーチをShareして頂いた。そう、Steve Jobsのスタンフォード大学学位授与式でのお祝いのスピーチである。強烈に感動した。これは、Steve Jobsが僕のために送ってくれたスピーチかと思うほどに感動した。日本語訳 https://pla-net.org/blog/archives/2005/07/post_87.html原文 https://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.htmlSteveは言う。「未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。結果、人と違う道を行くことになってもそれは同じ。信じることで全てのことは、間違いなく変わるんです。」僕が常日ごろ思っていたことをSteve Jobsは素晴らしい言葉で表現してくれた。僕は、どんなことでも必ず意味があると信じており、それでも時として現実を受け入れるのに苦労することが多いのも事実である。 どうしてうまくいかないのか。 どうして結果がでないのか。 どうして行きたい会社に入れないのか。等々。今働いている会社は4度目の挑戦で決めた。3度挑戦し、話が途中で途絶えてしまうこともあった。どうして話がここで立ち消えてしまうのか?と憤りを感じることもしばしばあったが、ここで話が消えるのには必ず理由がある、今は転職の時期ではない、今入ったら仕事がなくなってレイオフの対象になる、極力Positive Thinkingで捉えるよう努力した。それでも理解できないことも多かったが、後で必ず点と点が線で結ばれる時が来る、あー!だからあの時は駄目だったんだ!と思える時が必ず来る、いや、そう思える時が来るように努力して道を切り開いていこう!と思い、自分で未来を操縦するように努力を継続した。中国系FoundryでのOpportunityを逃したのはかなり痛かったが、懇意にして頂いているFablessの顧客の方々は皆口を揃えて言う、「あそこには行くな!あそこのSalesのBossはSneakyだ、彼のもとで働いたら○○の将来がおかしくなる。」つまり、自分はチャンスを逃したと思ったが、それは結果的に良い決断だったというのである。日系企業からシリコンバレーの企業に転職した昨年、今の企業にPositionが無かった為、それまでにWaferの経験を積むべく、様々なFoundryの門をたたいた。その一つに、長年顧客として接し、懇意にして頂いていた方がPresidentになった会社があった。彼は僕の仕事ぶりをよく知っている。彼をつたっていけば間違いなく受かると思って門を叩いたが、なんだかんだと進展しなかった。結局そこはEngineeringのバックグラウンドが無いという理由ではじかれた。正直かなり悔しかった。ところが、そのPresidentも先般突然退社した。内部情報によれば、彼はその会社に移ってから、やり方を我流に一気に変えてしまい、社内から相当反発されたようで、結果として追い出されたということだった。彼がPresidentになった際、自分の腹心を何名か外から連れてきたようだが、その腹心は彼が追い出された後、身の危険を感じているとのことだった。あくまでも結果論だが、自分が彼を頼りにそこに転職していたら、自分の身も危なかったということになり、結局そこに入らなかったのも意味があったんだ、と思える。そうこうして昨年転職した会社は実は一番行きたくなかった会社であった。というのも、技術力がなく、会社の方針も明確になっていなかったからである。ところが、一年働いて思ったのは、皆とても親切で、Engineeringのバックグラウンドがない自分に色々と教えてくれる、とても暖かい企業風土であった。また、モノを売れない悔しさや苦労を味わえた。更に、名の売れていないスタートアップ企業で働くことによって、日系企業時代に懇意にして下さっていた方々の態度が一気に豹変することも体験した。それでも人を企業名で判断しない素晴らしい人々との出会いもあった。Jobsのスピーチを送ってくださった方もそういう方であった。人を会社や肩書きで判断しない、素晴らしい方である。前職時代はなかなか結果が出ずに苦労した。新規顧客開拓が思うようにいかず、モノが売れずに悩んだ。営業は売ってナンボ、日系企業時代は毎月数million売っていた自分が、何ヶ月もゼロ更新。かなりきつかった。営業成績が全て、ゼロだから自分の人間性をも否定されているのではと思ってしまい、かなり落ち込んだ時期もあった。でも、絶対に負けてたまるか!と思い、何とか前向きに取り組んだおかげで、「その他」扱いの顧客をNo.3まで大きくすることができた。最も行きたくなかった会社だったが、一年間で学んだことは多く、アメリカでSurviveしていく覚悟ができた。1年前に今の会社に決まらなかったのは、前職でWaferの経験を積んで、売れない苦しさを学び、アメリカでSurviveする覚悟を積む機会を頂いたんだなあと勝手ながらに思っている。Steveは言う。「その時は分からなかったのですが、やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、ということが分かってきました。成功者であることの重み、それがビギナーであることの軽さに代わった。そして、あらゆる物事に対して前ほど自信も持てなくなった代わりに、自由になれたことで私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代の絶頂期に足を踏み出すことができたんですね。」Steve Jobsは、自分がつくった会社でクビになり、しかも超有名人につき誰もがSteveがクビになったことを知っている。こんな状況でも後で、人生最良の出来事だった、と言い切れるSteveはすごい。いや、そういう風に言える未来を、彼は自分で築いたんだと思う。ピンチをチャンスに変える。そのバイタリティは半端ではない。「人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです」「君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。ドグマという罠に、絡め取られてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っているんだ。だからそれ以外のことは全て、二の次でいい。」私が尊敬するJensen Huang会長(Nvidia)も同じことを仰っていた。Follow your instincts, always do your absolutely best, andfeel good about the outcome.「信念を貫きなさい。どんな時も全力を尽くしなさい。そうすればどのような結果がでようと満足できるでしょう」。僕はそう解釈した。日系企業から転職した際、9年働いた古巣ではかなり否定的に捉えらた。△△という大企業を辞めて名も知れていないスタートアップで働くなんて後で後悔するぞ!という罵声を浴びせる人もいた。心から応援してくれる方もいたが、失敗すればいい!と思っていた人も多かったと思う。でも、自分で選んだ道、自分がやりたいことを実現してやる、と思って頑張っていた時にJensenから頂いた言葉だった。やはり一流の方のいうことは違う。「周囲の雑音に自分の信念をかき消されてはいけない。」Steveはそう言った。その通りだと思う。僕はStanford出身ではないが、このスピーチはSteve Jobsが僕個人にあててくれたメッセージかと思った。それほど魂を揺さぶられたスピーチであった。* * * *仕事ができることも大事だが、結局は「人間」が一番大事なんだと思う。強い人間であること、素晴らしい人間であること、常に前向きであること、自分の人生や経験を語れること、そしてそれが他人の人生に良い影響を与えられること、こういう人物の周りに人は自ら人が集まっていく。人格者。SteveやJensenを思うとこういう言葉が思い浮かぶ。仕事はもちろんのことだが、皆彼らの人格に惹かれているんだと思う。こういう人との出会いは自分の人生を豊かにする。その時に備えて、自分の人生をもっともっと鍛えておかないといけない。最近つくづくそう思う。
投稿者: シリコンバレー発 脱藩組の挑戦 投稿日時: 2005年10月11日(火) 14:14- 参照(838)
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