以前食べてた物が無性に食べたくなる事があるけど そーいうものは想い焦がれても普通はすぐに口に出来ない事情があったりする 雨の午後、あれをガブッと喰らいつきたいという欲求が頭をかすめ、落ち着いて考えれば夜の約束までには時間があるし、雨が降ってるけどあの地下鉄駅のちょっとムッとした湿り空気にも触れてみたいかなということで部屋を出た、
時間外したけど、店内は心地よい人いきれ これをガブッと マスタードが口内のどこかで静かに閃く
帰りの雨足は強く近くの店で安い傘を買ったのだけど、帰り着く前に風でバラバラ ガブッとできた後のささやかな幸せ感はそんな事くらいでは立ち消えたりしないのだった、
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