FAQ中のFAQのひとつに、日本(の会社)とアメリカ(の会社)の違いは何?というのがあります。

この10年ほどいろいろ考えてきて、答えはいくつもあるのですが、最近とみに感じることがあるので、書いておきましょう。それは出張にバケーションをくっつけるのがNGかOKかという違いです。日本の組織は産官学を問わず、押しなべてこれはNGだと思います。ですよね?多少こじつけがきつくても、一応仕事にかこつけて知人友人がいる施設を訪問するくらいが限界で、出張の仕事や学会などが終わった後、またはその前に、現地で有給休暇を使い文字通りバケーションを楽しんでしまうというのはあり得ないのでは?

こちらの会社では、私が知る限りではありますが、出張のついでにちょっと寄り道するなんて全然OK。それどころかまさに上記のように、前後にバケーションをくっつけるのも当たり前のようにアリです。そもそも学会などはいろんな観光地でも開催されますし、同伴家族用の料金とかオプショナルツアーとかもプログラムの中に組み込まれていたりする場合もよくあります。もちろんプラスアルファの費用は自腹となりますが、欧米のカルチャーとしてこれは当然のことと思われます。でなきゃなんでハワイやラスベガスやアナハイム(LAのディズニーランドがある町)であんなにたくさんのカンファレンスがあるんだっ!ってことですよね。

学会に限らず、会社のビジネストリップでも同様です。実は2月末から1週間ほど中国に出張するのですが、こちらから何も言わないうちに上司の方から、youは日本に寄ってきたらいいんじゃない?みたいなことを言われます。どうせ週末も重なることだしはい喜んで、というわけで3日ほど立ち寄る予定です。一緒に行く中国出身の同僚も少し実家に寄ってからアメリカに戻る予定です。

学会などの場合、何日か開催地近辺での滞在を延ばして休みを入れたところで往復の旅費は基本的に変わらないわけですし、せっかくの機会、宿泊代や食費などを自分で払う分には別にいいんじゃね?と私も思うようになりました。日本の場合おそらく、「行きたくてもそういう出張に行けない社員だっている。出張に行けるだけでもありがたいことなのに、その上お前だけがそんなに楽しんで来ていいのか?」とか「税金を使って行っているのに遊ぶとは(遊びの分は税金ぢゃないのに)何事か」みたいなことなのでしょう。

日本の大学の先生だって国際学会を日本でホストするときは、周辺の観光地の紹介とかもつけてどうぞいろいろ楽しんで行ってくださいみたいに外国人を迎えて、時にはゲストの案内とかまでラボのスタッフや学生に(業務命令的に)させたりするのに、自分たちがよそに行く時には一切の遊びや観光を許さないというのは何だかなぁと思ってしまいます。

まああまりネガティブなことは書きたくないのでこれくらいにしますが、上記はかなりくっきりとした日米間の、いや日本と欧米との間の、あるいはもしかしたら日本とそれ以外の国々との間の?違いのひとつですね。

投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2011年2月19日(土) 17:57