In the Pipelineで、最近のScience誌の論文が紹介されてました。Atomic force microscope (AFM、原子間力顕微鏡) によって、これまでにないほどの解像度で、構成原子と原子間の結合が見えるほどクリアーな、分子の形を見ることに成功したそうです。ベンゼン環が5個つながった、ペンタセンの写真を引用されていますが、マジ?というほどしっかりと形が見えています。そこからさらに拝借。ちなみにAの上に小さな丸がある記号はオングストロームという単位で、1 nm(ナノメートル)の10分の1です。つまり20オングストロームというのは2ナノメートル。そういえば3年余り前に同じくらいのサイズのナノキッズというのを紹介しました。ペンタセンというのは構造式で書くとこういう分子です。今までは「まるで見てきたかのように」語られていた化学物質の分子の構造ですが、本当にそういう形なのが「見える」というのは衝撃的。顕微鏡もこんなところまで来たんですね~。ところでこのIn the Pipelineというブログ、私はしばらく前からチェックするようになりましたが、メディシナルケミストにとって興味深い情報が多く(著者のDerekもメディシナルケミスト)、必読です。1日に複数エントリーなんてときもあるほど更新頻度が高いので、全部フォローするのはちょっと大変ですが・・・。

投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2009年9月3日(木) 21:04