「花」の焼き飯はおいしい。中国人シェフの鍋使いはいつみても見惚れる。「花」では焼き飯用の安い「国宝ローズ」と、ご飯として出す「田牧米ゴールド」の2種類をいつも炊き上げていて、普通はこの国宝を焼き飯に使うのだが、田牧が残ってるとこれも使う。粘りがあるのでやり辛いと思うのだが、これも苦もなくほぐし、数回鍋を振るとパラパラと焼きあがる。細かく刻んだ豚肉を、大目の量の熱い油に一度通し、よく油をきる。それから組み合わせの高菜や卵、野菜類と合わせて炒める。人気商品は「豚肉と高菜」「塩ジャケ」だ。ふと若い頃、なにもないアパートに友人が来たときに振る舞い、喜ばれていた焼き飯を思い出した。鰻屋やうどんやのバイトがないと、いつもヒイヒイして食うものに困っていたのだが、米と野菜、卵くらいはある。そこで作ったのが肉なし、野菜クズと卵、生姜の焼き飯だった。これを思い出し、 「花」 のシェフにキャベツ+卵+生姜焼き飯をリクエストしてみた。 「そんなもんうまくないよ。」 といわれたが、どうしてどうして。これはうまい。生姜がピリっと効いて、食欲の薄れる夏場にはもってこいだ。今度はニガウリを入れてつくってもらおっと。
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