今日プレスリリースが出ましたが、うちの会社はいわゆるneglected diseaseにけっこう注力しています。一番の理由は、そこにunmet medical needsがあって、しかも当社の技術 (Boron Chemistry Platform) がかなり貢献できそうだからなのですが、かといってただでさえ経済的にも時間的にも制限のあるスタートアップですから、単なるボランティアでできるわけでもありません。プレスリリースの中にもあるように、TB AllianceとかDNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative) といった非営利組織からのfundingによってこういったことが可能となります。もちろん実費をまかなうだけですが(^^;)。対象となる疾患は、結核、マラリア、アフリカ睡眠病、Chagas disease(シャーガス病)、Leshmaniasis(リーシュマニア症)といったもので、結核は細菌感染、その他の4つはいわゆる寄生虫による疾患です。これらは東南アジアやアフリカ、南米などを中心にいまだに蔓延している病気で、全部合わせると毎年数百万人が死亡していると言われていますし、今現在も多くの人々がそのリスクにさらされています。しかしneglected diseaseと呼ばれるように、これらの病気に対する治療薬の開発は、大手製薬企業ではあまり行われていません。理由は言うまでもなく、「市場」がないからです。需要はあっても顧客(患者)たちに支払い能力がないために、要するに営利企業にとっては事業化が難しいのです。そこをカバーするのが、上記のような非営利の組織になります。出資元には例えばGates Foundationなども含まれます。それでは大した売り上げも見込めないこういった事業に、うちのようなスタートアップが参加することでどんなメリットがあるのか?ということになりますよね。このあたりはまあいろいろ議論もあるわけですが(後ろめたいことは何もありません、念のため ^^;)、一応実名ブログですし会社名も明らかなので、これ以上の詳細は、I am not suppposed to write here と思われますので、差し控えさせていただきます。別にもったいぶるわけでは決してなくて、おそらく書いても問題はないと思うのですが、きちんとauthorizationを取ってないというだけのことです。でも、スタートアップの世界でこういうactivityがあるということは、意外と知られていないのでは?

投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2009年5月27日(水) 21:54