村上春樹の小説の登場人物のように話す、で「アメリカ人は謝らない」ということを枕詞的に書いたら、私の周りにいるのがたまたま謝らない人なんじゃないの?という類いのコメントをいくつか頂いたので、以下もう少し丁寧に書きますね。1)アメリカでも、カスタマーサポートなどで、訓練を受けている人はこれでもかと言うほど謝ることもある。(そういうマニュアルになってるらしい。電話がホールドされている間に、1分に1回とかわざわざホールドを解除して人間が「お待たせして本当にごめんなさい」みたいに言ってきて「いや、いいから、問題解決に勤しんでください」と思うことも。サポートの方はインドに住むインド人の可能性も高いが、マニュアルはアメリカ製ですよね、多分。)2)そうでなくとも、日常生活の中でちょっとしたことを「失礼しました」と謝ることに関しては、日本人より礼儀にかなっている。ほんの軽く触れただけでも丁寧に謝るのが普通。(ただし、I'm sorryとは滅多に言わない。Excuse meとか。とはいうものの、そもそもI'm sorryそのものが、日本語の「ごめんなさい」と、「このような事態になったことを残念に思います」の両方の意味があり曖昧なんですが。)3)しかし、本質的な問題を問われるかもしれないシビアな局面では滅多なことでは謝らない。(シビアな局面の例:仕事での交渉、夫婦の間の会話(笑))4)とはいうものの、「問題を解決しようとする行為」に関しては、アメリカ人の方が具体的かつ有益な行為を実現しようとする傾向が強い。たとえば、私のスタバ体験:たいして混んでいないスタバでオーダーした後10分くらい待って「まだこないんだけど、私のオーダーはまだこれから?」と聞きに行ったらバリスタ嬢は(あ、しまった)という顔をしつつ「Oh」とかいって、ささっとドリンクを作り、さらに「エスプレッソドリンク無料券」をにこやかにくれた。「もうっしわけございませんっ」という平身低頭ぶりはかけらもなかったが、「無料券」できちんと落とし前はつけてくれたのであった。仕事とかでもこういう「言葉では謝らなくても、本当に自分が悪いと思ったらきちんと代償行為をする」ことが多いかなと思うんですが。なお、私は、「謝ってもらっても何にもならない。そんなことに労力を使っている暇があったら、その間に問題を解決して欲しい」と強く思うタイプなので、アメリカが快適です。はい。

投稿者: On Off and Beyond 投稿日時: 2009年3月30日(月) 22:34