週ごとに大きな客船が入ってくるピアには簡易のイミグレーションがあり、オフィサーが人の出入りを管理している あーあそこから先は国外になるのかと思って暗い扉の奥を覗き込むとちょっと不思議な気がする 冗談であそこを駆け抜けたら 簡単な事ではこちらにはもどってこれないなんて感覚に詰まされるのは元々この国の人間でないという根無し感
<今日のライナーは格段大きくエレベーターが5機位みえる>朝食に座ったカウンター 今日はウニがあったので食べてみた 隣に座る退職前の刑事風 「それ旨いのか?」「前にメキシコで潜った時に食ってみたけど好きじゃなかったな」 狭いカウンターなのでこちらを見ずに尋ねてくる
「おぃ これは何処で獲れたんだ」 今度はカウンター向こうに投げかける「up north! 」 「ちょっと前に獲りに行ったけどもーいきたくないな こりごりだ」雑踏の中に佇むように過ぎる時間 「ところでどのくらいここに住んでるの?」 そー言われれば 長い雑踏人生
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