AirPort Extreme Base Station、通称 AEBS は、USB ディスクとプリンタをネットワーク共有できる Wi-Fi 基地ルータとしては、Mac なネットワークでは最強のスペックなのだけれど、看板に偽りがあるという問題があった。つまり、USB ディスクの動作が不安定という問題が知られていた。Tiger の時は、いちどちゃんと動く状態になれば、一部の相性の悪い BitTorrent クライアントなどでルータを酷使しなければ問題が起きないという状態が知られていて、我が家では Transmission を使うことで幸せでいられた。しかし、Leopard 以後は、BitTorrent をまったく使用しない状態でも、一週間に一度は必ず USB ディスクがマウントできなくなるという不具合が発現していて、Time Machine 用としては安心して使えない状態が続いていた。まあ、そもそも Time Machine 用のディスクとしては、ちょっとしたワザを使わないとマウントさせてもくれないという状態だったのだけれど。で、Time Capsule などというものが発売されて、このまま AEBS + USB ディスクは Time Machine 用にはオフィシャルには使えないということにされてしまうのかと気をやきもきさせていたところに、3月19日の Firmware Update 7.3.1 がリリースされた。これだけを見ると、ただのセキュリティフィックスかと思うけれど、さにあらず。このアップデートの目玉は、じつは Time Machine のサポートだった。どういう政治的理由かはともかく、公にそうとは宣言してないにも関わらず、このアップデートで AEBS の USB ディスクで Time Machine が使えるようになった。ヘンなワザとかしなくても。しかし、そもそも Time Machine で使っていたぼくにはそんなことはどうでもよく、それよりも、いままで公式にダメと言われていた Time Machine でも使えるようになるくらいに USB ディスクが安定して使えるようになっただろうってことが大きなニュースだった。まあ、Time Capsule でできることができなかったというのがそもそもおかしすぎて許せないのだけれど、それはそれ。ただ、本当に上の症状が治ってるのかどうかがよく分からなかった。maliciously crafted AFP request っていうけど、ぼくは Leopard からふつうに使ってるだけだし、もちろん AFP request なんて作ってないので malicious って言われても困る。自分たちで maliciously crafted AFP request を作ってました、って言いたかったのかも知れないけれど。そういうわけで、Apple が素直に非を認めて分かりやすく書かないのでその効果に対して半信半疑だったのだけれど、リリースから二週間ほど使ってみて、これは大丈夫だろうと確信するに至りましたのでお知らせする次第です。この二週間、一度も USB ディスクが使えなくなったことがないし、AEBS をリブートする羽目になったこともない。Time Machine も完璧に動いている。Leopard になってからは、AEBS を毎週少なくとも一回はリブートするのが習慣になっていたので、これは本当に夢のようなできごとなのです。ふつうにふつうのことができる幸せを実感しているわけです。これで、とうとう Extreme の名に恥じない正真正銘素晴らしいルータになったと思う。Time Capsule もいいけれど、AEBS でもぜんぜん問題ありません。ディスクが USB 2.0 でも文句ないなら、まったく同じことができますので、Mac の人は、全力で安心して AEBS を買ってください。なお、「おまえがそう言うから全力で安心して買ったのに、なんかうまく動かないぞ、賠償しる」、という残念な人は、ぼくに文句を言う前にこのエントリーが 4月1日に書かれていることを思い出してください。よろしくおながいします。

投稿者: ぼんやりと考えたこと 投稿日時: 2008年4月1日(火) 16:34