この記事はミステリーツアーへようこそ(その1)の続きです

第2の扉)霧の中の洋館

車は信号を曲がって少し進むと、大きな建物が見えてきました。車はその建物の前で停まります。すると、ひとりでに車の助手席が開きました。

「ようこそ、当ホテルへ」

ベレー帽にチェック柄のシャツを着た、スコットランドの衣装に身を包んだポーターが出迎えてくれました。

そう、ここは太平洋に面した小さな漁村のはずれにあるリゾート・ホテル。

女の脳裏にふと昔の記憶が甦ります。
あれは1年以上前のこと。この一組の男女が、はじめて二人だけでドライブに出かけたときに立ち寄ってお茶したのが、このホテルのロビーでした。

「さ、荷物を持って降りるよ」と男。「えっ、お茶するだけじゃないの?」

二人はホテルのレセプションでチェックインを済ませ、部屋に荷物を置くと、そのままクラブ・ラウンジへ。

窓際のテーブル席に座った二人。月が出ていれば、その光に白く輝くであろう波濤も、霧に覆われているため見ることはできません。それでも、遠くから聞こえてくる波の音を聞きながら、二人静かにワイングラスを傾けます。

暖炉にくべられた薪が時折、ばちばちと音を立てます。と、書きたいところですが、暖炉はガスでした…。

第3の扉)嗚呼、ラタトゥーユでやっちまったよ

ラタトゥーユクラブ・ラウンジを満喫した二人は、ホテルの屋外ジャグジーで体を温めてから、部屋に戻ります。部屋でくつろいでいると、男は「サプライズ第3弾!」と言ってバッグからおもむろに一枚のDVDを取り出しました。それは、ラタトゥーユ(邦題:レミーの美味しいレストラン)という映画のDVDでした。

男が、このDVDを選んだのには理由がありました。

この男と女には、映画関係の仕事についている共通の友人がいました。その友人が、2007年に見た映画にランキングをつけてblogで発表していました。そのblogを見た女が、「このベスト1の映画を見てみたい」とかつて言っていたのを男は覚えていたのです。なんでも、その友人のコメントによれば、「この映画はぜひだまされたと思って観て下さい。 社会派ドラマなのですが、根底にある人間性という大河の様な流れに涙腺が何度も触発されます。(以下略)」なのだそうです。

早速、ベッドの上でくつろぎながら、この映画を見始めます。

しかし、女は、「これがベスト1だったのかしら?」と首をかしげることしばしば。

男「そうだよ、彼のblogでちゃんと確認したんだから」

女「でも泣ける映画って言っていたし、ドラマだったように思うんだけど…」

確かに、このラタトゥーユはディズニーのアニメで、主人公はネズミなんですよね。でも、男はその友人のコメントまでは覚えていませんでしたから、これがベスト1だと信じて疑わずに映画を見続けます。

さて、これは後日談になるのですが、男は後日、その友人のblogを見て、ラタトゥーユが実はベスト1ではなく、ベスト5だったことに気づくのです。
そのblogでは、ベスト5から順次紹介されており、blogの一番上に紹介されていたベスト5のラタトゥーユを、ベスト1だと早とちりしてしまったようです。

あ~あ~、やっちゃった… orz

まぁ、でも、くつろいだ雰囲気の中でヒューマン・ドラマを見て涙流すのもいかがなものでしょうか? ディズニーあたりで和やかに楽しんだ方が良かったんじゃないかなと、男は開き直っているようです。

~~~ 続く ~~~

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2008年1月10日(木) 08:21