娘が大学を卒業して勤めた会社は毎晩夜10時、11時という残業が続いていいました。最初は無料の夕食が社内食堂で出たのですが、シリコンバレーのバブルがはじけて、会社の財政が厳しくなると、残業はあっても夕食は出なくなったので、私が夕食を作りに娘のアパートに行ったものでした。もう数年前のお話です。
遅い夕食が終わって、テレビを見ながらソファーに寝転がってお喋りをしていたら、娘が自分のいるキュービクルから斜め横のキュービクルに笑顔がとても暖かい感じがする優しそうな男性がいて、とても気になっていると言い出しました。
分かっているのは名前だけ。自分のしている仕事とは直接関係がないので話す機会が無いという。年齢も、いつから会社に勤めているのかも分からないけど、数年いるグループの人達とランチに行くので自分より4才くらい上らしいとか。
その後私が何回かアパートに行くうちに、娘はKさんの事が段々分かってきたようでした。そのKさんは仕事の後、会社のジムに行って1時間運動をして帰るらしい。それから直ぐ娘もジムに行くようになったのは言うまでもありません。
それから初めてランチに誘われて、デートをするようになって2年後には一緒に住むようになって5年経ちました。
2泊3日の小旅行に出かけた先で、今朝娘から嬉しそうな声で電話がかかってきました。
Kさんからプロポーズされたとの事。
実は何も知らなかったのは娘だけ。先週Kさんは私達から結婚の許可を取ってこのプロポーズ小旅行を密かに計画していたのです。
欠点ばかりの愚娘、Kさんを幸せにしてあげて、良い家庭を築いてくれますようにと、今日は亡き両親のお墓に報告して来ました。
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