th の発音は難しい。澄んでる方も濁ってる方も、両方ともやっかい。

米語の場合は、濁っている音の方は d だと思って発音しておけば分かってもらえるけれど、澄んでいる方の音は簡単に代替できる音がないので、ひたすら練習するしかない。

後に母音が続く場合 (think とか nothing とか) は練習すればけっこうちゃんとできるようになるけれど、続かない場合 (math とか myth とか) はなかなか難しい。また、さらに、子音から th に繋がるパターン (wealth とか sixth とか) は絶望的に難しい。かれこれ 10年くらい練習しているはずだけれど、ぼくは未だに言えない。

何の苦もなく th を発音できるネイティブな人たちをみて羨ましいと思うし、そう思う日本人も多いんだろうとは思う。

今日は、そんな悩める子羊仲間たちの溜飲を下げる、とっておきの朗報をお届けしたい。そんな風に思っています。
さて、代替する音がないので難しいと上に書いたばかりだけれど、嘘でした。じつは代替する音があります。それは、f です。

たとえば、myth (ミツ゜) なら myf (ミフ) と言えばよく、think (テ゜ィンク) なら fink (フィンク) と言えばよい。これならほぼ誰でもちゃんと発音できる。簡単でいいでしょう?

(タ行に半濁点で th の澄んだ音、タ行に濁点で th の濁った音ってのは、もう何度も言っているので言いませんよ。いい加減、それくらいは覚えてください。)

そんなはずはない、そんな発音じゃ通じない、信じられない、なんて思う人もいるかも知れないけれど、そう思う人は心が曇っています。歳を取って、人を信じられなくなったのでしょうが、幼少の頃に戻った気分で、素直に人の言うことを信じましょう。

誓って言いますが、この発音方法は th の発音が苦手なネイティブも採用しています。在米十年のぼくが保証します。ただし、どんないい話でもそうですが、無条件とはいかない。ちなみに、こういうのを too good to be true (true であるには good すぐる) と言います。

で、その条件ですが、じつは、この発音が許されるのは幼児から 1年生くらいまでが限界と思われます。2年生でこの発音だと、ちょっと厳しいかも知れない。つまり、心が澄んでいないと許されない。

友人の奥さんの Edith (イディツ゜)は、小さいの頃は自分のことを Edif (イデフ) と呼んでいたと本人が言っていたし、先日も、「ひろしませんせい、マフのスペルを教えてください」って息子のクラスの子供に訊かれて、「ま、まふ?なにそれ?」「マフはマフだよー。1たす2だよー」「あー、マツ゜のことか」「そう、マフのこと」って言われて本当に嬉しかった。言えねーんじゃんかよ、ネイティブのくせに。ははっ!って。まあ、相手が大人だったら、さんざん馬鹿にして泣かしてやるんだけど、大人だとそんな発音はしてくれないので、馬鹿にできないのが残念でした。

つまり、ネイティブだって th の発音は難しいわけですね。自縄自縛です。ざまーみろ。

ちなみに、濁った th を f の濁った音、つまり v で発音するというワザもあります。

中学三年のときの同級生に英国から引っ越して来た友人がいたのだけれど、彼は mother をマヴァと発音してました。なんでそんな発音をするのか、本人もよく知らないと言っていたけれど、彼が育った英国のどっかではそういう方言なんじゃないだろうか、というのが彼の説だった。とにかく、本場の英語をしゃべる彼がマヴァと言っていたのだから、きっとイイんだと思う。

でも、mother をマダァって発音するのは難しくないので、わざわざマヴァって言うのは素人にはお勧めできない。

ま、そういうわけで、心が澄んでる人はぜひ試してみて下さい。

投稿者: ぼんやりと考えたこと 投稿日時: 2007年12月11日(火) 12:38